宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』、金曜ロードショーで5.2地上波初放送 『紅の豚』も5.9放送決定
2025年4月11日(金)6時0分 クランクイン!
『風立ちぬ』以来10年ぶりに、宮崎駿監督が生み出した『君たちはどう生きるか』は、2023年7月の公開時、「先入観なしで映画を楽しんでほしい」という思いから、ポスタービジュアルのみの露出に。公開されると話題を呼び大ヒットを記録。さらに同年12月に全米で公開されると、週末興行ランキングで1位を獲得。そして、第81回ゴールデン・グローブ賞アニメーション映画賞、第96回米アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞を受賞で2度目のオスカー獲得という快挙を達成。世界での興行収入で、スタジオジブリ作品の中でも一番の成績を記録した。
舞台は第二次世界大戦中の日本。主人公の少年・眞人(まひと)は、火事で最愛の母親を失い、父と共に東京を離れ、疎開先の大きな屋敷に引っ越す。しかし、新しい環境になじめず、複雑な感情を抱える眞人は、屋敷で出会った不思議な青サギに導かれ、大伯父が建てた古い塔へと向かい、もうひとつの世界へ迷い込む。その世界で出会ったのは、漁師の女性キリコ、火を操る謎の少女ヒミ、そして眞人を追う奇妙なインコたち。やがて眞人は大伯父と出会い世界の秘密を知ることに…。
本作では、今までの宮崎監督の作品では描いてこなかった主人公像に挑んだという。従来のジブリ作品では、明るく元気な女の子や、正義感の強い少年を中心に描かれることが多かったのに対し、本作の主人公・眞人は、“心の中に、複雑な感情を抱えながら生きる少年”として登場する。最愛の母を失い、新しい母親の夏子との関係に戸惑い、新しい学校にもなじむことができないという11歳の少年・眞人。子どもながらにさまざまな感情を抱え、葛藤しながらも、まっすぐに生きようとしている。
宮崎監督は、眞人を自身の少年時代の記憶を参考に描いたという。それは、両親との関係性の悩みや、自分の感情への戸惑いなど、誰しもが多かれ少なかれ経験する心の葛藤をもつ少年でもある。そんな多感な時期の等身大の少年・眞人が、青サギに導かれ、もうひとつの世界に迷い込む。生と死が混然一体となった世界を巡るファンタジー作品となっている。
そして、その翌週5月9日は『紅の豚』。「飛ばねぇ豚は ただの豚だ」そんな名台詞が飛び出す本作は、スタジオジブリらしい、大空にロマンと冒険を詰め込んだ作品だ。
『紅の豚』の舞台は、第一次世界大戦後…オレンジ色の屋根の港町や、きらめく青々とした海と白い砂浜が美しいアドリア海。主人公は、どこか憂いを帯びた賞金稼ぎ、ポルコ・ロッソ。なぜ彼が豚の姿をしているのか秘密を知ってるのは、飛空艇乗りたちのマドンナ、昔なじみのマダム・ジーナだけ…。かつては空軍のエースパイロットとして名を馳せたポルコですが、今では空賊退治に明け暮れている。
ポルコに対抗すべく空賊たちが雇ったのは、アメリカ人パイロットのカーチス。ポルコは、飛空艇のエンジントラブルが原因で、カーチスに撃墜されてしまう。ひょんなことからポルコの飛空艇を修理・設計することになったのは、17歳にして天才的な腕を持つ整備士の女の子フィオ。彼女の前向きな明るさと困難に立ち向かう行動力がポルコを変えていく。いよいよ宿命のライバル、ポルコとカーチスの決闘が始まる—。
飛行機に乗ると、目の前のモニターで色々な作品が見られる。この作品は当初日本航空の機内上映用の短編アニメーションとして企画された。『風の谷のナウシカ』以来長編の劇場アニメーションを作り続けてきた宮崎監督は、スタッフのリフレッシュも兼ねて気楽な小品を作りたいと考えていたそうです。原案は監督自身が模型雑誌に発表した漫画「飛行艇時代」。この趣味のつまった原案からストーリーを練るうちに、構想がふくらみ劇場公開作品となった。宮崎監督の趣味たっぷりの飛行機のラインナップ、空を飛んで風を感じるような緻密な動きのアニメーションなど、スタジオジブリ作品の魅力が詰まった一作だ。
なお、『君たちはどう生きるか』初放送を記念して、4月29日15時55分からジブリ特番を放送(関東と一部地域)。作品のあらすじや、主人公・眞人をはじめとする個性豊かなキャラクターを、映画の映像を交えご紹介。また、これまでの宮崎監督の足跡を振り返り、『君たちはどう生きるか』の魅力に迫る。
さらに、眞人役の声の出演をした山時聡真が、話題の「ジブリパーク」(愛知県長久手市)を訪問。スタジオジブリ作品の世界を体験できる公園施設で、展示や貴重な資料を巡る。
日本テレビ系『金曜ロードショー』にて、映画『君たちはどう生きるか』は5月2日21時(放送枠45分拡大)、映画『紅の豚』は5月9日21時放送。
※宮崎駿監督の「崎」は「たつさき」が正式表記