話題の“闇深ドラマ”『死ぬほど愛して』プロデューサーが語る「成宮寛貴の濡れ場」に隠された意味

2025年4月15日(火)6時0分 女性自身

成宮寛貴の8年ぶり俳優復帰作として話題になり、「ABEMAドラマランキング1位獲得」、「Netflix日本における今日のシリーズTOP10で連日1位獲得」など大きな反響を呼んでいるABEMAオリジナルドラマ『死ぬほど愛して』(「ABEMA」にて毎週木曜夜11時より無料放送、Netflixでも同時配信中)。


本作は累計発行部数1億以上突破のヒット作『金田一少年の事件簿』などで知られる天樹征丸氏の同名漫画が原作の純愛サスペンスであり、穏やかで幸せな結婚生活の裏で巻き起こる「女性記者殺人事件」によって、やがて「究極の愛」と「狂気」に翻弄されていく夫婦の物語。


今後の展開が気になる『死ぬほど愛して』について、プロデューサー・小林宙さんに番組制作の裏側を語ってもらいました。


■映像化する際、原作漫画を“死ぬほど”読んで高めた「再現性」


原作の天樹征丸さん(樹林伸さん・ゆう子さんの姉弟の共同ペンネーム)は漫画を中心として幅広いコンテンツのヒットメーカーです。今回は企画・監修の形で本名の樹林伸さん、樹林ゆう子さんでもクレジットされていますが、台本作りやキャスティングなど連携し、私は勉強させていただきながら、一緒にこのドラマを作っていきました。


大御所の原作の方で、非常に緊張して私は接しました。正直少しビビってました。それで、伸さんがXで「再現性が高い」と評価してくださっておりますが、ストーリーの大枠は同じですが、セリフやディティールは細かく読み比べると違っています。ただ私もプロデューサーとして「再現性は高い」と思っています。


昨今、原作ものの映像化は何かとハードルが高い印象がありますが、私自身はあまり過去に原作の方と関係が悪化したことはほとんどありません。自分が原作のある映像のプロデューサーをする時に大切にしていることは、何よりも原作に対するリスペクトを持つことです。まずは原作をしっかり読み込みつつ、細部を再現するのではなくて、読み込むことで朧げながら見えてくる原作の根幹をどう映像化するかは考えます。今回も原作を「死ぬほど」読みました。原作とドラマの根幹が同じならば、映像化する時に原作の方と同じ方向を向いて議論ができるので、お互いのコンセンスがとれ、映像作品としてより質が高く「再現」できると思っています。


ビクビクしながら天樹さんと打ち合わせを重ねましたが、最後には「死ぬほど愛して」はヒットメーカーの天樹さんとより深くコンセンスがとれた質の高い原作の映像作品になったと思っています。


■成宮寛貴と瀧本美織「濡れ場の表現」に隠された深い意味


原作漫画を読んでいらっしゃる方ならわかるのですが、非常に漫画は濡れ場が多いです(笑)。今回、ドラマではそこまで多くはやっておりません。天樹さんに原作漫画の濡れ場の多さを質問した時は、「女性週刊誌に連載しているので、毎週のサービスカットが必要だった。濡れ場は必須ではない」と教えてもらったので、ドラマ化するにあたっては必要なところだけを置いています。


ただ、原作漫画の濡れ場、特に真人と澪の夫婦の濡れ場には実は意味があって、澪が真人の怪しさに疑問を覚えると、真人は体を重ね、あやふやにするということをやっています。ある意味、洗脳的なことを真人は濡れ場でして、澪を自分に依存させています。その澪から真人の病的な依存の関係はドラマも必須なので、そこは補強しています。


3話まででも十分に片鱗が見えるのですが、真人が飴と鞭を澪に使ったり、自分を可哀想に見せたり、巧みな嘘をついたり、はたまた怪しいヨガ的なことをいかがわしいお茶を飲ませてやっていたり、もともと元夫のDVに苦しむトラウマを持つ澪を支配下に巧みに置いています。それがドラマ上の濡れ場の表現であり、原作の根幹と同じことをやろうと思って、そこは天樹さんも賛成してくださりアイディアなどもいただけました。


■「考察ドラマ」としても楽しめる作りに


実は「死ぬほど愛して」はそんなにわかりやすいドラマではありません。考察ドラマの側面もあります。1話の冒頭と終わりは宮沢賢治の「永訣の朝」の真人のナレーションがありますが、そこには意味がありまして、なぜこの詩が真人が語っているのかは彼の人生の象徴でして、徐々にわかってきます。


また、カラオケで澪と歌ったり、雨の中、傘を壊しながら歌っていた「青い鳥」も彼にとってどういう意味があるのか次回4話で少しわかってきます。カラオケの時に「母が好きだった曲です」と言っていますが、そこには深い意味があります。


と、この2つの詩と歌は全話の中でずっとテーマとしてあるのですが、実はそれに対するアンサーのわかりやすい説明はドラマ上していません。「ああ、こういう意味だったんだろうな」と視聴者の方々が感じ取ったり、考えてもらえるような作りにしております。なので何回も見返すと、「あ!ここのセリフはここにリンクしていたんだ」とか、「あ!2話で出てきたこれがここで回収されるんだ」ってことがわりと多くあるドラマになっています。


例えば、2話の最後の方に澪が真人に「ごめんなさい」とメモを置いていますが、かなり忘れた頃の終盤に出てきます。たぶん普通に見ていたら覚えていないと思いますし、覚えてなくても楽しんで見てもらえる作りになってはいるのでそこはご安心ください。


成宮さんがインタビューで答えていましたが、1つのセリフの中にも「真実」であり「嘘」でもある言葉が割とありまして、真人の裏側が見えてきたら、真人は表面上の会話の流れとは別の意味でも言っていたんだなということもあるので、そういうのも発見してもらえるとより楽しめるのではないかと思います。もし気に入ってくださったならば、何回も見てもらえると嬉しいです。


■次回4話の見どころは「神城真人が悪人になった理由」


全体からみると1〜2話はプロローグであり、3話から本格的な真人の物語が始まります。この原作漫画、ドラマのジャンルが非常に難しいのですが、天樹さんが漫画の後書きで「ピカレスク」と表しているように、「ピカレスク」が一番ピッタリなジャンルに間違いありません。ですが、あまり一般的ではないジャンルの呼称なので、今回、宣伝などでは使っていません。


「ピカレスク」とは一言で言えば、悪人が主人公の物語なのですが、真人が悪人であることは3話でまごうなき事実になりました。ここからが本当にこのドラマの面白いストーリーになります。


なぜ真人は「悪人」にならなければならなかったのか? その真人の裏側が想像を超えて展開されていきます。作ってみた自分で言うのは何ですが、その闇深さというか、業深いというか、成宮寛貴さんと瀧本美織さんも「なんだかすっごい話でしたよね」というのが台本読んだ感想だったのですが、「すっごい話」が展開されていきます。そして真人にとって「母が好きだった歌・『青い鳥』」への複雑な思いも見える4話になっています。4月17日23時から4話放送です。是非ご覧ください。

女性自身

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