岡田准一、武術に励む理由とは? 役者業とも重なる「美しさ」への強い思い語る
2025年4月19日(土)10時1分 マイナビニュース
4月19日から6月15日に奈良国立博物館で開催される奈良国立博物館開館130年記念特別展「超 国宝—祈りのかがやき—」の音声ガイドナビゲーターを務める俳優の岡田准一にインタビュー。音声ガイドとして心がけたことを聞くとともに、 “美しさ”への強いこだわりを語ってもらった。
同展では、奈良博や奈良の歴史に関わりの深い国宝を中心に、未来の国宝ともいうべき重要作品など、日本が世界に誇る名品の数々を紹介。国宝約110件、重要文化財約20件を含む約140件の仏教・神道美術を展示する。
岡田は音声ガイドの収録において、役者として感情をどれだけ込められるかということを意識していたそうで、「美に対するリスペクト」を持って挑んだという。
「自然に対する憧れや敬いや恐れなどを美に変えて形にしている部分が大いにあると思っていて、リスペクトがあればあるほど美に落とし込んで形にすることは難しく、それを成し遂げている作品たちなので、これはこうですと納得させる力は圧倒的なクリエイティビティだと思うんです。自信を持って作られたものばかりが残っていると思うので、これは本当に美しんだという感情を大事にしました」
そして、物そのものだけでなく、それを作った職人たちへのリスペクトも大きいという。
「僕は割とそちらが好きで、物の先にある人に興味があります。料理人もそうですが、料理もすごいけれど、それを作っているこだわりや美しさ、道具とか。それを練り上げたのが日本文化でもたくさんあるので、そういうものを大事に、美しさをちゃんと伝えることが自分の役割だと思っています」
続けて、「格闘技、武術をやっていますが、強くなりたいというか、世界一になりたいということは思っていない」と述べ、「ある一時期の強さには興味がなく、チャンピオンになれたらなれたでラッキーだと思いますが、その競技の美しさを体現できる人になりたい」と励む理由を説明。「お芝居もそうで、その役柄の美しさをちゃんと体現できる人でいたい」と役者としての思いとも通ずるという。
そして、岡田の中では格闘技や武術に関して「ゴールはない」ときっぱり。「磨き上げていくけど、年齢が上がっていくとできないことも増えていくので、できることと折り合うという。人間の成長と退化も美しいと思うんです。退化していけば、退化に合ったものをやっていくし、そこで形も変わっていくし、人生観につながっていくのだと思います」と語っていた。
■岡田准一
1980年11月18日生まれ。大阪府出身。俳優として活躍し、2014年にNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』で主演。第38回日本アカデミー賞では、『永遠の0』(13)で最優秀主演男優賞、『蜩ノ記』(14)で最優秀助演男優賞を受賞。これまでの主な出演作品は、『木更津キャッツアイ』シリーズ、『SP』シリーズ、『ザ・ファブル』シリーズ、『燃えよ剣』、大河ドラマ『どうする家康』など。主演・プロデューサー・アクションプランナーを務めるNetflixシリーズ『イクサガミ』が2025年11月配信予定。
■奈良国立博物館開館130 年記念特別展「超 国宝—祈りのかがやき—」
会期:2025年4月19日〜6月15日
(前期展示:4月19日〜5月18日、後期展示:5月20日〜6月15日 ※会期中、一部の作品はほかにも展示替えを行う)
開館時間:9:30〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:毎週月曜日、5月7日 ※ただし、4月28日、5月5日は開館
会場:奈良国立博物館 東・西新館