ピコピコ感あるシンセサイザー音が印象的な重音テト楽曲『デバッグドラッグ』ゲーム好きに刺さるMV映像に「要所要所にあるゲーム要素が好き」の声
2025年4月19日(土)15時0分 ニコニコニュース
音楽のみならずアニメやゲーム、マンガや映画など。さまざまなカルチャーをルーツとするクリエイターの活躍が、近年は特に注目を集めている。
いわゆるクロスカルチャー的な音楽や楽曲は、もともと音楽が好きな人のみならず、クロス先のカルチャーが好きな人にも届きやすい。扱うネタが一歩ディープに踏み込んだ内容であるほど、「自分以外にもこれが好きな人がいる!」と同志を見つけたような、嬉しい気持ちになる人も多いだろう。
ボカロP・ルシノによる「デバッグドラッグ」も、そんなクロスカルチャー的要素がリスナーからの支持に繋がっている楽曲だ。
文/曽我美なつめ
曲のMVとして注目を集めているのが、映像の主題となっているゲームネタである。
アーケード筐体やファミリーコンピューター、プレイステーションといったレトロなものから、誰もがどこかで見たことのあるようなプレイ画面、さらに直近のゲームタイトルの内容をパロディしたものまで。実に多彩なゲームネタが映像の随所に盛り込まれており、幅広い世代のゲーム好きが思わず「おっ!」と思う要素が満載ともなっている。
当然だがそういったフックになる映像要素と、楽曲そのものの相性がバツグンな点もポイントだろう。
中毒性のあるサウンドは、総じてどこか昔のゲームBGMを彷彿とさせるような、ピコピコ感あるシンセサイザー音がメイン。テンポの速い打ち込みのビート感も、楽曲全体の雰囲気とよくマッチしている。
オケの音像自体がかなりくっきりとした電子音のため、一歩間違えればボーカルがその中に埋もれてしまう可能性もある。だがそこで発音の明瞭さがウリでもある重音テトSVをボーカルに用いることで、ややアイロニックな人生観を落とし込んだメッセージ性ある歌詞もしっかり聴き取ることができている。
そういった楽曲全体の絶妙なバランス感も、支持を集める背景となっているのだろう。
楽曲は2025年2月下旬に開催となった、「The VOCALOID Collection 〜2025 winter〜」TOP100ランキング部門への参加曲となる。
最終結果ではTOP100に入ることが叶わなかったが、イベント後に公開されたYouTube版が大きく再生数を伸ばし、投稿わずか約1ヶ月で10万再生越えを記録。
今もまだ、その余波が徐々に広がりつつある状態だ。
かつての原口沙輔さんもそうであったように、ボカコレ参加曲がイベント後にじわじわと人気・知名度を拡大することも、近年はよくある現象だろう。
この曲が今後どこまで話題を広め、どこまで大勢の人の元へと届いていくのか。そういった点も含め、まだまだ行く先を注視したい1曲ともなっている。
「The VOCALOID Collection」 公式サイト
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