情熱がみなぎる「かなり攻めた」写真集で気持ちが高まり…比嘉愛未(38)の現在地

2025年4月26日(土)12時0分 文春オンライン

『週刊文春』2025年4月17日号で、巻頭カラーグラビア「原色美女図鑑」に8度目の登場を果たした比嘉愛未。今年3月末、芸能事務所「コンテンツ・スリー」に所属すると発表した。「20年前に上京して来た時の様に、新しい世界に挑む様な気持ちで、新しい挑戦をしてみたい」と決意表明をした彼女が描く、これからの“誰も見たことがない比嘉愛未像”とは。 (全3回の1回目/ 続き を読む)



©黄瀬麻以


◆◆◆


35歳を過ぎて再び目覚めた“野心”


——「原色美女図鑑」にご登場いただくのは、今回で8回目です。これまでも鎌倉などでロケを敢行してきましたが、今日は都内から2時間以上かけて群馬音楽センターまでお越しいただいて。


比嘉愛未(以下、比嘉) いえいえ、とんでもないです(笑)。でも本当にここまで来たかいがあったぐらい、この建物のアート性がとても素敵で。多分、築40年近く経ってますよね?


——1961年開業だそうです。


比嘉 すごい! それなのに古さを感じないどころか、逆に新しい感じ。ひとつひとつの空間にストーリーがありますし、衣装のデザイン性も相まって、自分の存在を誇張しなくても、ただそこにいるだけで作品として成立するんだなって。アートと調和できたようでとても楽しかったです。


——実は今回の撮影は、事務所を変わられてから、初のお仕事ということで。


比嘉 はい、大事な一歩目です。通算8回目の登場なのも、末広がりで縁起がいいなって。


——しかもここ群馬音楽センターでは、撮影直前まで卒業式が開かれていました。比嘉さんの門出にぴったりですね。


比嘉 春って、別れとスタートと出会いの季節でもあって……。でもなんだろう、不思議と怖くない。ワクワク感の方が大きいですね。


——心機一転を決意したきっかけは?


比嘉 本当にありがたいことに、役者としてこの20年、数多くの作品に出させていただいて。演じることや撮影現場がただただピュアに好き、その気持ちでひたすらやってきました。


 けれども、35歳を過ぎた頃、与えられるチャンスやステージが、自分が思っている以上にグッと上がったのを感じたんです。主演作をいただけたり、今までお仕事をご一緒してきた方々から「次はこんな比嘉愛未を見たい」と新しい役柄のオファーをいただいたり。


「私はここでいい」と思っていた自分のポジション、その価値観がガラッと変わったんですよね。もっと上を目指したい、まだ見ぬ場所に行きたい、と。まさかこんなにも強い向上心……いっそ“野心”ともいうべき感情がまた目覚めるなんて、自分でも驚きました。


——2022年に出版された写真集『本心』の巻末でも「もっとステージを上げたい」「パッションが止まらない」と語っていらっしゃいます。


比嘉 『本心』はまさに35歳の時の作品なんですよ。「原色美女図鑑」でご一緒してから仲良くさせていただいている、藤代冥砂さんが撮ってくださって。自分にとっての転機を刻みたくて、かなり攻めましたね。


——情熱がみなぎっていますよね。


比嘉 そう! ちょっと燃えている感じ。淡路島で3日間にわたって撮ったんですけど、すごく天気にも恵まれて、すべてが奇跡的でした。引き寄せというか、「こうしたい」と願ったものが、想像を超えて返ってくるのを感じました。これからも折に触れて開きたいなと思える一冊です。


——新たな事務所への所属を決めたのも、野心が高じてのこと?


比嘉 そうですね。35歳で目覚めた向上心が徐々に徐々に高まっていくなかで「もう少し違う方向性でチャレンジしたい」という思いもあったので、契約満了を機に、環境を変えてみようと決心しました。


 デビューから18年間所属していた前事務所は、私にとって育ての親。ものすっごく恩義があります。でも、ずっと親の元にいるわけにはいかないじゃないですか。やっぱりいつかは巣立ちを経て、自分の力で一人前になって生きていかなきゃいけない。


 大人になればなるほど、未体験の場所へ飛び込むのは怖いし、大きな責任も伴います。でも「やらなきゃだめだ」と、去年あたりから強く感じるようになったんです。少しずつ準備を始めて、プロセスのひとつひとつを全部自分の意志で決めていって……。今年、ようやくスタートを切れました。


 今までの出来事、そのすべてに感謝していますし、逃げずに向き合ってきたと言い切れる。ちゃんと自分を信じられるから、前を見据えていけるのかな。いきがらず、無理しすぎず、流れるように生きていけたらなと思っています。


性別や年齢に縛られず「できるだけ“レス”でありたい」


——門出という背景も踏まえて、今日の撮影テーマは「誰も見たことがない比嘉愛未」でした。最初のカットを撮った直後から「男でも女でもない気持ち」「できるだけ“レス”でありたい」とお話しされていたのが印象的でした。


比嘉 衣装を纏って、シャッターを切られた瞬間、ポンッと「レス」という言葉が閃いたんです。性別も年齢も関係ない、“個”としてカメラの前に立ちたいなと。


——これまでご登場いただいた「原色」では、どちらかというと、女性的なファッションや表情にフォーカスしていたように思います。


比嘉 初めて出させていただいた時(2007年)なんて、かなりギャルでしたよね(笑)。そうしたファッションやヘアメイクの変遷を含め、今までの歴史は絶対に消せない大切なものです。


 でも今は、性別や年齢に縛られない自分でいたい。「比嘉愛未」というひとりの表現者として、どれだけいいものを届けられるか。だから、誰にも媚びたくないし、驕りたくもない。今回撮っていただいた写真からも同じエネルギーを感じたんですよね。その瞬間、その人、その空間を、素晴らしいセンスでもって、きっちり切り取ってくださって。


常に変化し続けたい、予想を裏切りたい


——『本心』はエネルギーをバッと放出するような写真でしたが、今回は肩の力を抜いてありのままで……と、まったく異なる表現でした。


比嘉 うん、『本心』の時とは全然、顔が違いますもんね。それにふだんの役者というお仕事は、自分の体と心を使って別人になる=役を“入れ”なくてはいけないので、今日のテーマである“レス”とは真逆。力を抜いて、無になって……という在り方は本当に新鮮でした。


——「原色美女図鑑」は、おっしゃっていたように役を離れて「自分自身」として出ていただくグラビアです。だからこそ「こんな人として見られたい」という像があらわれるページでもあるのかなと。そこの感覚はいかがですか?


比嘉 むしろ……うん、「見られ方って何?」ってくらい。


——そこも“レス”になっている?


比嘉 はい。「こう見せたい」というのはエゴであって、その方向性が100%正しいとは限らないじゃないですか。だから今日のように、これまで組んだことのないクリエイターの方とのセッションはいつも刺激的なんです。思いがけない私と出会わせてくれますから。


 今日もクールな表情の中に、どこか幼少期や学生時代の自分の顔が覗いていて、瞬間瞬間が面白かった。目指したとおり、今までにまったくない比嘉愛未が写っているはずです。


——20年のヒストリーを重ねても、まだ新しい顔があるんだと。


比嘉 そう。読者の方が誌面をぱっと見た時に「え、この人、比嘉愛未?」ってなると思うんですよ。でも、それが嬉しい。私は変化し続けたいんです。自己実験とも言えるかも。こういう場でも思いっきり遊んで、予想を裏切りたい。自分の像を固定化したくないんです。 


撮影 黄瀬麻以
ヘア HORI
メイク Kie Kiyohara
スタイリング 三本和朗

〈 「もうかっこつけてないです、最近」吹っ切れた比嘉愛未(38)が大切にしている“ある感覚”「自分の根本には沖縄で…」 〉へ続く


(「週刊文春」編集部/週刊文春)

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