《ライアン・ゴズリングもサプライズ登場!》10万5千人が参加した「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン 2025」

2025年5月4日(日)12時0分 文春オンライン

 5月4日はスター・ウォーズの日だ。


 May the Force be with you(フォースと共にあらんことを)という決め台詞と、May the 4th(5月4日)をかけた英語の語呂合わせで、世界中の『スター・ウォーズ』(SW)ファンが祝祭モードになるのだが、さらに盛大なお祭りが先ごろ日本で開かれた。



撮影 石津文子


10万5千人が参加した「スター・ウォーズ セレブレーション・イン・ジャパン 2025」


 それが4月18日から20日まで3日間に渡り千葉・幕張メッセで開催された、「スター・ウォーズ セレブレーション・イン・ジャパン 2025」だ。世界中からSWシリーズのファンが集結する一大イベントで、主催者発表によれば125の国・地域から合計10万5000人以上が参加した。前回2023年のイギリス・ロンドンでの大会より動員が8%増、参加者の国・地域も64からほぼ倍増という大盛況ぶり。


 日本での開催は2008年の第6回目以来2度目となる。日本での開催以外は、イギリス・ロンドンで3回、ドイツ・エッセンで1回開かれた以外はアメリカの大都市で開かれている。そのためアジア・環太平洋地域のファンにとっては待望の日本での開催となった。実際、参加者に声をかけてみると日本や欧米はもちろん、ハワイ、韓国、香港、オーストラリアなどから来たという人が多いようにも見受けられた。


 入場チケットは3日間通しで23,808円、1日券が8,298円と決して安くはないものの、事前に完売していたという。さらには特典のついた140,133円というVIPチケットも売り切れ! しかしアメリカまで行くことを考えれば、日本や近隣諸国のファンにとっては安いのかもしれない。円安もあって海外から来るファンにとってはお得感もあるだろう。


「スター・ウォーズ セレブレーション」のはじまりは……


「スター・ウォーズ セレブレーション」は1999年に米コロラド州デンバーで、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』の公開記念として開催されたのが始まりで、以来1〜2年おきに実施されており今回が16回目。当初は2万人規模でファン・ミーティングに近かったが、2012年にディズニーがルーカス・フィルムを買収してからは徐々に大規模なコンベンションへと進化した。3日間に渡り、新作映画や配信作品の発表会や、スターとの撮影会やサイン会(これは別料金がかかる)、パネル(ステージイベント)や、グッズ販売などが行われ、多くのスポンサー企業がブースを出す。


 会場にはコスプレイヤーが目立つものの(最寄の海浜幕張駅に向かう電車の中からジェダイやハン・ソロに囲まれてしまった。チューバッカやダースベイダーのような大掛かりなコスプレには別料金で更衣室がある)、SWのTシャツや一般的なファッションのファンも多い。朝9時から開場だが、8時半にはすでに多くのファンが会場前に並んでいる。そして想像以上に海外からの来場者が多いので、幕張ではなくロサンゼルスのようだ。


サプライズで登場した大人気ハリウッド俳優


 セレブレーションの参加者の多くが初日の朝一番に並ぶ目的は、会場限定のグッズを買うこと。そのためか18日は金曜日だったにもかかわらず、一番混雑していたように見えた。また今回はレジェンド級のスターは来なかったものの(マーク・ハミルのそっくりさんはいた)、2027年公開の新作映画『スター・ウォーズ/スター・ファイター(原題)』に主演することが会場で発表された人気俳優ライアン・ゴズリングがサプライズで登場。これは全く事前に告知されていなかったので、ファンの熱気が一気に高まった。


 ライアンの母が撮った実家の写真がスクリーンに映し出されると、「これは僕が5歳の時に使っていたスター・ウォーズのベッドシーツ。母はまだ持っていたんですね。ファンの皆さんが喜ぶと思って写真を送ってきてくれました。僕は幼い頃からずっと『スター・ウォーズ』の夢を見ていたんだと思います。この映画は今まで描かれていない時代を舞台に、ハートと冒険に満ちた新しい物語になります」と語った。


 そしてシリーズ7年ぶりの劇場版映画となる『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』(2026年5月22日日本公開予定)の主演ペドロ・パスカルと、こちらもサプライズだったシガニー・ウィーバーも登壇。シガニーは『エイリアン』シリーズのイメージが強いが、今度はSWに初参加となることが発表された。


 他にも配信シリーズ「キャシアン・アンドー」の主演のディエゴ・ルナと人気ドロイド、K-2SOを演じるアラン・テュディック、「アソーカ」のロザリオ・ドーソン、ヘイデン・クリステンセン(アナキン・スカイウォーカーとして続投が発表された)、『ローグ・ワン』のマッツ・ミケルセン、そしてC-3POのアンソニー・ダニエルズらも、それぞれパネルに登壇した。多くのキャストは有料の撮影会も開催。しかしファンにとっては、憧れのスターを見ることが必ずしも目的ではないようだ。


“『スター・ウォーズ』と日本”と題したパネルディスカッションも行われ(基本的に全てのステージでの会話は英語で行われ、逐次日本語字幕が流れるスタイル)、アニメオムニバス『スター・ウォーズ:ビジョンズ』の脚本家として登壇した脚本家、SF評論家の堺三保さんは「かなり大規模になりました。初日が賑わうのは、コミコンなども同じですね。やはり限定品を求めるファンが多いですから。日本での開催が久々なのでオペレーションの点では多少、改善点もあると思いますが、問題ないと思えるレベル。雰囲気もまるでアメリカにいるみたいに感じましたね。でも何よりファンが盛り上がっているのは嬉しい」と言う。


 もともと、『スター・ウォーズ』は、ジョージ・ルーカスが『隠し砦の三悪人』などの黒澤明の時代劇から発想したことで知られ、ライトセーバーを操るジェダイ(JEDI)も時代劇(JIDAIGEKI)をもじった名前だとされている。


「日本のアニメスタジオが関わる『ビジョンズ』の新シリーズ制作も発表され、日本との繋がりはより深まると思います。僕も48年前、中3の時に1作目を見てこの世界に憧れたことを考えると、スタッフとして関われるのは感慨深いですね」(堺さん)


マッツ・ミケルセンが披露した“あるエピソード”


『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)で科学者ゲイレン・アーソを演じた、マッツ・ミケルセンは、“伝説のキャラクターたち”というパネルで「日本のファンは、世界一だよ。みんなSWに出てくるキャラクターと、それを演じた俳優への思い入れがすごく強い。これがイギリスなんかだと、まずファンの年齢が高いし(笑)、そもそもファンじゃなくて、有名人のサインや写真のコレクターが多い。だから相手は誰でもいいわけ。でも日本のファンは全然違う。彼らは最高だし、日本を愛しているよ」と語った。会場にはイギリス人もいる中で、この発言なのだから、お世辞ではないはず。マッツの1歳上の兄ラース・ミケルセンも「アソーカ」でスローン大提督を演じているが今回は来日せず、兄弟共演とはならず残念だった。


 ちなみに1965年生まれのマッツは、子供の頃兄ラースと地元デンマークの映画館でSWを観ようとしたが大混雑で、隣の映画館でブルース・リーの映画を観て帰って来たというエピソードを披露。以来、出演が決まるまでSWを見たことがなかったというから面白い。


 家族3人でコスプレをしていたのは奥貫さん一家(埼玉県在住)。帝国軍ストームトルーパーに扮した妻・陽子さんは「前回の日本開催時は、C-3PO役のアンソニー・ダニエルズや、ダース・モール役のレイ・パークがステージが終わった後、会場を歩いていて気軽に撮影に応じてくれたりしたんですよ。今はそういう触れ合いがなくなったのは寂しいですが、ファン同士の交流が楽しいです」と語った。


 夫の零士さんは賞金稼ぎのボスク(有名キャラではないので逆に目立ち、写真を求められていた)、息子の正英くんはオビ=ワン・ケノービのコスプレ。家族全員、オリジナルの3部作(現在はエピソード4、5、6)がやはり好きなようだ。正英くんは少年時代のアナキンが活躍する「エピソード1」もお気に入りのようだが。陽子さんと零士さんはあるテレビ番組で『スター・ウォーズ』好き同士として出会ったことがきっかけで結婚したという。


 スピン・オフのシリーズが増えたことで、新世代のファンを獲得しているのも確かだ。前述の『マンダロリアン・アンド・グローグー』の元となるドラマシリーズ「マンダロリアン」の人気キャラ、ベビー・ヨーダことグーグーは、お馴染みヨーダと同じ種族で、50歳を超えているもののまだ子供という設定。このグルーグーのぬいぐるみやグッズは、若い世代、特に女性に人気で飛ぶように売れていた。


次回のセレブレーションは2年後、ロサンゼルスで開催予定


 1作目の『スター・ウォーズ』(現在はエピソード4と呼ばれる)が日本で公開された1978年からの大ファンだという会社員の藤﨑康史さん(60歳・東京都在住)は、有給休暇を取って3日間皆勤で参加した。3日目は3歳上の兄・順一さんと、その友人も参加。還暦を超えた兄弟で、一緒に楽しめると言うのも長く続いているSWシリーズならでは。


「グッズやフィギュアも少し買いましたが、それが大きな目的ではないんです。世界中の『スター・ウォーズ』ファンと交流して一緒に写真を撮ったり、自作のシールやピンバッジを交換したりするのが楽しいんですよ。友人はSW好きが高じて宇宙関連の仕事についていますし、僕らにとってはある意味で『スター・ウォーズ』自体が人生最大のイベントなんです」(藤﨑さん)


 最終日、次回のセレブレーションは2027年4月1日から4日までアメリカ・ロサンゼルスで開催されることが発表された。シリーズ最初の映画『スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)』が1977年にアメリカで公開されてから50周年となる節目の年だ。


 ジョージ・ルーカスが生み出した『スター・ウォーズ』はルークを中心としたスカイウォーカ一家のサーガ(大河ドラマ)だったが、同時に多くのファンたちの家族ドラマも生み出し続けている。


(石津 文子/週刊文春CINEMA オンライン オリジナル)

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