「1人で生きていく気満々」だった浅野ゆう子が57歳で結婚した意外な理由と、「もうちょっと女性らしくしよう」と言われた時の“無理しない”対処法とは
2025年5月5日(月)8時0分 文春オンライン
〈 「カミソリ入りのファンレターが届いたり…」浅野ゆう子が語る“女性のアンチファン”に嫌われていた時代と、それが180度変わった瞬間 〉から続く
人気コミック原作のNHK夜ドラ『ワタシってサバサバしてるから』でカリスマ婚活コンシェルジュ・東堂百合子を演じる浅野ゆう子さん。
浅野さん自身は57歳の時に結婚し、仕事の合間と並行して家事を一手に引き受けているという。パリッとした印象とは対照的な、意外な結婚生活についてお話を聞いた。

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——浅野さんは過去のインタビューでは「一人で生きていくと思っていた」とおっしゃっていたこともありますが、2017年に57歳で結婚したのはどんなきっかけだったんですか?
浅野 「還暦を過ぎたら残りの人生は神様からいただいたおまけみたいなもんだ」と、どなたかの言葉で聞いたことがあって、その通りなんだろうなと思っていた頃、今まで周りにいなかったタイプの人が、とても真摯な気持ちで私と向き合ってくれて。残りの“おまけの人生”を一緒に心地よく過ごしていこうと提案してくれたものですから、私も前向きに考えて応えたんです。
——お相手の提案がなかったら今もそのままの関係が続いていた?
浅野 多分そうでしょうね。ただすぐにコロナ禍がやってきて、1人だったら1週間誰とも口をきかない日々が続いたりして、そのタイミングで結婚していたかもしれません。初期の頃は治療法もわからなくて、もしかしてどちらかが感染して搬送されたりしたらそれこそマスコミに騒がれて面倒くさいじゃないですか。そう思いません?(笑)。
「たぶん若い頃だったら怒ってしまって、その時点でもう終わりだったでしょうね」
——57歳での結婚について、浅野さんが「ご自身にとっての結婚適齢期だったのかも」とおっしゃっていたのが印象的でしたが、色々な意味でタイミングだったのですね。
浅野 私の場合は、自分が誰かと責任を持って生きていけるという覚悟ができたときが結婚適齢期だったのだと思います。提案されるまでは考えてもいませんでしたけど、言われてみて「ああそうか、今なのかも」と。それにしても、食事の支度というのがこんなに大変だとは思いませんでした。夫が外食があまり好きじゃないのは、結婚するまでわからなかったんですよね。
——食事は浅野さんが作られるんですか?
浅野 基本的に家事は私がやっています。私が仕事で遅いときに「今日は何か作って待っていてあげようとか思わないの?」と聞いたことはあるんですよ。そしたら「だって1回作ったらずっと作らなきゃいけないじゃん」と言われてしまって。
——喧嘩になってもおかしくなさそうですよね。
浅野 たぶん若い頃だったら怒ってしまって、その時点でもう終わりだったでしょうね。でも今は喧嘩になりません。若い頃は許せなかったことが許せるようになったのは、たぶん私が大人になったから(笑)。みんな年を取ると丸くなりませんか? ちょっとしたことで瞬間的にカッとすることもなくなってきましたね。
——若い頃から親しい関係の男性はいた、ということですか?
浅野 まぁそうですね……(笑)。10代の頃は「二兎追うもの一兎をも得ず」ということで、ちゃんと仕事をやっていきたいなら恋愛や結婚は考えるなと言われていました。例えばドラマで孤独な役をやっていても「この人は家に帰ったら旦那さんと子どもがいるんだよね」と思ったら白けてしまうからプライベートが見えてはいけないんだと刷り込まれてきましたから。いつからか交際宣言とかも増えてきて、びっくりしたのを覚えています。
——びっくり、という感じだったのですね。仕事のためにプライベートは隠すという時代は息苦しかったですか。
浅野 実はそれはそれでスリリングで楽しかったんですよね。いかにバレないようにするか、みんな考えていたと思います。私個人の人生にとってはすごく楽しい思い出ですね。
——生まれた時代が違えば生き方も違っていたと考えることもありますか?
浅野 違っていた気もしますけど、皆さんが必死でプライベートを隠す時代を見てきて、今はすごく自由にいろんなことをなさる皆さんを見て、両方を楽しんでいる私もいます。
「1人で生きていく気満々だったわけですね」「そうですよ(笑)」
——浅野さん自身が昔はできなかったけれど、今はできるようになったこともありますか。
浅野 結婚もそうでしょうし、昔は外で手をつないで歩くなんてあり得ないことでした。でも今は、たまに手を引いてもらうこともあります。段差があったりすると年齢的に危ないですし(笑)。
——かなり考え方や性格的にも変わってきているのですね。
浅野 それで言えば、物欲もずいぶん無くなりましたね。昔は本当にブランド物が大好きでした。バブルの好景気の頃は海外に連れて行ってもらえるお仕事も多かったものですから、自分が欲しいと思ったものは手に入れるまで気が済まないタイプでした。今でも気になる化粧品をネットストアで探し続けたりしちゃうこともあるんですけど、40歳くらいからはブランド物にほとんど興味がなくなりました。
——何かきっかけがあったのですか?
浅野 「大体のものは欲しければ自分で買える。だから私は1人で生きていける」という感覚になったことで満足したんだと思います。
——1人で生きていく気満々だったわけですね(笑)。
浅野 そうですよ(笑)。でも年をとったら話し方も変わったし、色々なことが変わるものだなと思います。関西人なので、もともとはすごい早口だったんですよ。
——ドラマでもまくし立てるセリフの印象はあります。
浅野 トレンディドラマの時代は早口のテンポの役が多かったんですが、舞台のお芝居などに出させてもらったときに「しゃべるのが速すぎる」と言われたこともありました。自分でも早口なのはわかっていたし、もしかするとカッとなって失敗するのも早口だからかもしれないと思って、少し考えてから相手が聞きやすいようにゆっくり話す練習をしたんです。
——もともとのテンポを変えたら、性格も変わってきたのですね。
浅野 普段から馴らしておかないと急には変われないですから。長い友人とも時々その話になって、「昔は早口だったけど丁寧に喋るようになったよね」と言われたりするんですよ。
——逆に昔から変わらないこだわりのようなものはありますか?
浅野 演じる役のこだわりは実はなくて、本当は地方の髪の毛がボサボサのおばあさんの役もやってみたいんです。イメージなのか、かっこいい感じの役のオファーをいただくことが多くて、それはもちろんすごく嬉しいんですけど、私は特にこだわりはないので何でもやってみたいなと思っているんです。
「3回くらい『やめてね』と注意したんですけど、それでも直らなそうだったので」
——バラエティ番組でもよくお見かけします。
浅野 バラエティーは楽しくて大好きですね。ただ自分のことを俳優だと思っているので、企画でも「俳優はそれはやらないのでは」と思うものはお断りすることもあります。
——結婚生活でお互いに譲れなかったりすることもあるのですか?
浅野 どうでしょう、特にない気がしますね。若い頃は良い部分を見せなきゃいけないと思いましたが、今はお互いに自由です。眠くなったら先に寝ちゃうし、洗濯物の靴下が裏返って丸まったままでも、そのまま洗濯機に入れちゃいます(笑)。
——洗濯物の靴下問題ですね。
浅野 3回くらい「やめてね」と注意したんですけど、それでも直らなそうだったので「もうそのまま洗うからね」と。夫にはサバサバしすぎているのかもしれませんけど、時々「もうちょっと女性らしくしよう」と言われることもあるんです(笑)。でも普段の私はダラッとした格好で過ごしたりもしますし、もう高齢枠の夫婦ですから、そこはお互い無理せず楽な形を見つけていきたいですね。
(田幸 和歌子)
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