志田彩良 癒やしは2匹の愛犬 飼い始めてから仕事好調「バランスが取れるようになった」
2025年5月4日(日)5時0分 スポーツニッポン
【夢中論】女優の志田彩良(25)のモチベーションは2匹の愛犬だ。3歳のオス「くま」と5歳のメス「うさ」は、ともに保護施設から引き取ったトイプードル。現在放送中のNHK連続テレビ小説「あんぱん」で念願の朝ドラ初出演を果たし充実の時を迎えている志田の日々に、癒やしとやる気を与えている。 (塩野 遥寿)
インタビュー会場で元気に走り回っていた「くま」と「うさ」。写真撮影が始まると一転、おとなしく志田の腕の中に収まり、バッチリとカメラ目線を決める。愛犬も飼い主に負けず劣らずの“名優”だ。
志田の生活は2匹を中心に回っている。仕事を終えると「遊ぶのが楽しみで」一目散に帰宅。とっくに日付が変わった深夜でも、自宅の扉の前に立つと中からそれを察した2匹の喜ぶ声が聞こえてくる。ドアを開けると途端に飛びついてきた。ここからが至福の時間だ。仰向けになったうさのおなかをなで回し、「これで遊んで!」と言わんばかりにボールを運んできたくまと戯れる。夢中になっていると30分が経過していた。「犬を飼う前はすぐにお風呂に入っていたのですが…2匹が可愛すぎて!一気に疲れが吹っ飛びます」
小学生の頃から両親に「生き物を飼いたい」と訴えてきたが「命の大切さを理解できるようになるまでは」と反対され続けてきた。願いがかなったのは3年前。引き取り手が見つからなければ殺処分されてしまう保護犬を引き取ることになった。100匹以上の候補の中から「言葉では表せない運命を感じた」というくまを、昨年1月には同じ施設からうさを迎えた。
不思議なことに、犬を飼い始めてから仕事も好調。「3年前にくまを迎えた途端、立て続けに作品が入って忙しくなったんです」。昨年1月期には日本テレビ「消せない『私』—復讐の連鎖—」、中京テレビ「こんなところで裏切り飯」と2作の連ドラに同時主演。次世代スター候補として大きな注目を集めるようになった。犬を飼うまでは頭の中が仕事のことでいっぱいだった。「今も仕事のことを考えてしまう癖は残っていますが、犬と遊ぶ時はそれを忘れられる。心が休まる時間ができて、バランスが取れるようになりました」。キリッとした目元と柔らかな笑顔のギャップが印象的な志田。愛犬との時間が女優業にも好影響をもたらしている。
女優としての悲願もかなった。10代の頃からオーディションを受け続け「大きな夢だった」と語る朝ドラ出演だ。「あんぱん」では今田美桜(28)演じるヒロインとともに、規則の厳しい女子師範学校の寮生活に奮闘する少女役を好演している。多くの人気女優が若手時代に演じてきた「ヒロインの親友役」には特別な思いがあった。「前から母が“朝ドラで親友役をやってほしい”と言っていたんです。私と母の夢が同時にかなってうれしい」と喜びもひとしおだ。
これまでに集めた2匹の洋服は500着以上。日々の食事代や検査・手術費用も全て自身が負担している。「(両親とは)飼う前からそういう約束でしたし、苦に思ったことは一度もない。犬には幸せな暮らしをさせてあげたい。犬のために働いています」と我が子同然の愛情を注ぐ。愛する2匹のため、朝ドラ出演を弾みにさらに活躍の場を広げていくつもりだ。
〇…「あんぱん」ではなぎなたに初挑戦した。「ずっとアクションや殺陣に挑戦したいと思っていた。憧れの朝ドラでそれを経験できてうれしい」と目を輝かせる。当初は思うように刀を振れず、上達の早い今田との差を感じたという。入浴前の愛犬との戯れの時間を泣く泣く割愛し、自主練習に励んだ。「“ごめんね〜”と思いながら、形の練習をしていました。そのかいあって、最後にはスタッフさんたちに“形、奇麗だったよ”と褒めていただけました」と笑顔を見せた。
◇志田 彩良(しだ・さら)1999年(平11)7月28日生まれ、神奈川県出身の25歳。14年に短編映画「サルビア」で初主演し女優デビュー。21年TBS日曜劇場「ドラゴン桜」の小杉麻里役で知名度を高めた。今年は映画「遺書、公開。」、NHK連続テレビ小説「あんぱん」など話題作への出演が相次いでいる。1メートル64。血液型A。