子ども同士の人間ドラマ『ふつうの子ども』蒼井優・風間俊介・瀧内公美が出演
2025年5月5日(月)9時43分 オリコン
映画『ふつうの子ども』(9月5日公開)蒼井優、風間俊介、瀧内公美の出演発表 (C)2025「ふつうの子ども」製作委員会
「第38回モントリオール国際映画祭」最優秀監督賞をはじめとして多数の映画賞に輝いた『そこのみにて光輝く』(2014年)、「第37回モスクワ国際映画祭」コンペティション部門に出品された『きみはいい子』(15年)で組んだ、呉美保監督と脚本家の高田亮が三度目のタッグ。
シリアスなサスペンスからラブコメディまで幅広く手がける高田が、「ずっと前から書きたいと思っていた」という本作。自身のまわりで目にする生身の子どもたちの姿に魅了され、小学校への取材を重ね、オリジナルのストーリーを書き上げた。
一方、呉監督も「ありのままの子どもを思いっきり描きたい!」という思いを長年温めていた。昨年『ぼくが生きてる、ふたつの世界』で9年ぶりとなる長編映画を発表し、大きな反響を呼んだ呉監督だが、出産・育児を経てブランクを経験したことも事実。仕事や子育てに追われる中で、「子どもも大人も、共に楽しめる映画」を作ることへの情熱を強くしていた。自らも親となった監督と脚本家の二人が、本作は、「ありそうでなかった子ども映画」となって誕生した。
主人公のひとり、上田唯士(うえだ・ゆいし)、10才、小学4年生。両親と3人家族、おなかが空いたらごはんを食べる、いたってふつうの男の子。最近、同じクラスの三宅心愛(みやけ・ここあ)が気になっている。環境問題に高い意識を持ち、大人にも臆せず声を挙げる彼女に近づこうと頑張るが、心愛はクラスの問題児、橋本陽斗(はしもと・はると)にひかれている様子。そんな3人が始めた“環境活動“は、思わぬ方向に転がり出して——。
主人公の子どもたちを演じるキャスト(嶋田鉄太、瑠璃、味元耀大)を取り巻く大人たちを蒼井、風間、瀧内が演じる。子どもたちの世界に別の角度から切り込み、大人もまた答えのない人生と相対する様を体現する。
蒼井が演じるのは、唯士の母親・恵子。育児に悩みながらも、我が子を信じ、ほめて伸ばそうとする母親を、丁寧に、そして温かく演じる。蒼井は「完成した映画は、スクリーンに映る彼らの夏であり、30年前の私の夏であり、娘の未来の夏だと思いました」とコメント。
風間は、唯士の担任で、30人の生徒たちと日々向き合う小学校教師・浅井役を、自然体で演じた。「子どもたちが集まった結果、物語が紡がれていったように感じる、『そのまま』が詰まった映画だと思います」と語っている。
心愛の母親・冬役を演じた瀧内は、登場シーンは限られていながらも、強烈な印象を残す。「子どもたちと呉美保監督、時に呉美保先生とのやり取りがとにかくかわいくて愛おしくて、純真なこころに何度も触れました」とコメントを寄せている。
あわせて、唯士役の嶋田鉄太、心愛役の瑠璃、陽斗役の味元耀大から撮影時の思い出など個性あふれるコメントも下段に掲載。
本作は、チェコの東部の州ズリーンにて開催される「第65回ズリーン国際映画祭」長編映画部門インターナショナル・コンペティション子供部門への正式出品が決定。同映画祭は、世界で最も古い子ども向け映画祭の1つであり、今年は5月29日から開催され、本作のワールドプレミアとなる上映には呉監督も参加予定。
そのほか、「第24回ニューヨーク・アジアン映画祭」など、海外の映画祭への出品が続々決定している。
■キャストコメント全文(順不同)
▼蒼井優
台本に詰まっている、夏のにおい、陽射し、足音、湿度、勢い。これらを全て映画館で体感できたらと思いました。完成した映画は、台本で感じた以上の夏でした。
スクリーンに映る彼らの夏であり、30年前の私の夏であり、娘の未来の夏だと思いました。
ご覧になるみなさんがどんな夏を感じられるのかとても楽しみです。
▼風間俊介
子どもたちが生き生きと撮影に臨んでいたのがとても印象的でした。
物語のために集まったのではなく、子どもたちが集まった結果、物語が紡がれていったように感じる、「そのまま」が詰まった映画だと思います。
その空気を澱(よど)ませないようにと心に決め、現場に向かっていた作品です。
子どもたちの映画ですが、大人にこそ観てもらいたい映画です。
▼瀧内公美
ひと夏の思い出が紡がれていくさまを映像が残していく。
子どもたちの記録映画のような中で、お邪魔しないように注意を払いながら現場にいたことを覚えています。
子どもたちと呉美保監督、時に呉美保先生とのやり取りがとにかくかわいくて愛おしくて、純真なこころに何度も触れました。
あの瞬間にしか切りとることのできない、瑞々しい日々がみなさんにも届きますように。
▼嶋田鉄太
僕が今回の撮影で印象に残ったことは、駐車場の撮影のシーンです。
車に排気ガスを出すな!などの、貼り紙をするのですが、衣装を自分で決めて良いと言われ、調子に乗り、夏場で暑いのに、「冬でもきねぇよ」と言われてしまうぐらいの服装にしてしまい、死にそうになりました。
さらにもう1つ印象に残っているシーンがあり、それは、心愛を探しに図書館に行き、見つけた心愛が神のように輝いて見えるという、図書館でのシーンです。ぼくは図書館の雰囲気が嫌いなのかとても気持ち悪くなり、少し寝込んでしまい、撮影が中断してしまいました。あの記憶はとても苦い思い出ですが、大変なこともあったけど、みんなと仲良く楽しく、良い映画が作れたと思います。
▼瑠璃
私はこの映画が初めての映画出演でした。
私たち子どもにとって、普通の日常が映画になっただけなのに、とっても面白くて感動して映画ってすごいなぁって思いました。
撮影が朝から夜までの時は集中力が切れないように3人でお昼寝したことも思い出です。
たくさんの人に支えてもらって、この映画に出れたのをとても誇らしく思っています。
こんな大切な役に私を選んでくれて、指導までしてくれた監督やスタッフのみなさんにとても感謝をしています。
▼味元耀大
橋本陽斗役の味元耀大です。
夏休み中の撮影は毎日とても暑く、みんなの顔が真っ赤になっていることも多かったのですが、スタッフさんがアイスや氷嚢を用意してくださり、とてもありがたかったです。
ずっと一緒に撮影していた唯士役の鉄太くん、心愛役の瑠璃さん、監督、プロデューサーさんをはじめ、すべてのスタッフの方々と過ごした夏休みは、僕にとってとても大切な時間になりました。
『ふつうの子ども』というタイトルですが、年齢を問わず、たくさんの方々に観てもらいたい作品です。