《プロ野球「苗字別」ベストナイン》1番は「イチロー」、4番とエースは誰に? 「鈴木」でチームを組んだら、こうなった

2025年5月17日(土)11時50分 文春オンライン

〈 《「苗字別」ベストナイン》「山本由伸」がエースではなく、4番も「山本浩二」ではない“意外な結果”に! プロ野球界で“最強”の苗字「山本」でチームを組んだら…どうなった? 〉から続く


 プロ野球ファンなら誰しも「自分が考える最強のベストナイン」を妄想したことがあるはず。数あるプロ野球選手たちの「苗字」別にベストナインを組んだらどうなるのか。『 野球の記録で話したい 』(広尾晃著、新潮社)から一部抜粋し、お届けする。(全2回の2回目/ 前回を読む )


◆◆◆


 鈴木ベストナインは「脚」「安打」にこだわる顔ぶれがそろっている。史上最高の「安打製造機」イチローについてはもはや多言を要さない。NPBの終身打率は驚異の.353だ。



「文句なし」で1番バッターはイチロー © 文藝春秋


 2番には近鉄、大洋で活躍した遊撃手の鈴木武。小柄だがしぶといバッティングで知られ1954年には71盗塁で盗塁王になっている。この年5月20日にはプロ野球タイ記録の1イニング3盗塁。


 3番にはイチローと同時代(1歳年長)の横浜で97、98年と連続首位打者に輝く鈴木尚典。


4番は外野守備でも定評の「あの人」


 4番は現カブスで、広島時代の19年、21年と首位打者の鈴木誠也。若いころから期待されたが、MLBに行く2年ほど前から急激に体が大きくなった。パワーアップを意識していたのだろう。外野守備でも定評がある。


 5番は全盛期の西武で清原和博らと中軸を打った鈴木健。出塁率が高かった。6番は近鉄で勝負強い打撃を発揮した鈴木貴久。7番には楽天、ロッテでユーティリティとして渋い活躍をする現役の鈴木大地


 8番は終戦直後、セネタースで強肩好守の捕手として鳴らした鈴木圭一郎。実は二塁手がちょっと苦しいのだが、巨人、西武などで活躍した鈴木康友とした。このチームには「秘密兵器」がいる。試合終盤に代走で起用され、何度も快走を見せた鈴木尚広だ。彼がゲームチェンジャーになる可能性もあるだろう。


「チーム鈴木」の投手陣は?


 投手陣では最後の300勝投手、鈴木啓示が高峰の如くそびえる。肩幅が広く、その肩をそびやかすようにして投げた。鈴木孝政は快速球で鳴らした。中日はエース級を救援で起用する伝統があるが、孝政も先発救援で活躍。


 鈴木康二朗はヤクルトの先発、というより「王貞治に756号を打たれた投手」として球史に残る。鈴木隆はON全盛期の大洋の投手。マック鈴木はマイナーから這い上がりメジャー先発に。


 救援陣、鈴木皖武(きよたけ)は、国鉄、阪神とセ・リーグで活躍。170cmと小柄だが制球が良かった。鈴木平はイチローがいた時代のオリックスのクローザー、鈴木義広は落合中日のセットアッパー、鈴木健矢は現役、日ハムで先発、救援で投げている。


 鈴木博志も現役、2024年中日から現役ドラフトでオリックスに移籍し中継ぎとして投げる。鈴木哲は90年代に西武、広島で投げた技巧派。鈴木幸雄(さちお)は南海キラーのサブマリン。


監督人材が不足しているのが「チーム鈴木」の課題か


 このチームは監督で「はて?」となってしまう。鈴木啓示は近鉄監督になったが、野茂英雄との確執が伝えられ、3年で退団した。以後は指導者になっていない。鈴木尚典はDeNAの打撃コーチだが監督経験はない。


 他に鈴木姓のプロ野球監督はいないから、鈴木啓示となるが、イチローとうまくやっていけるのか? 無理な指導をして関係が拗れないのか? それだけが心配だ。ただ戦力的には「山本」と好勝負を演じる陣容なのは間違いない。


(広尾 晃/Webオリジナル(外部転載))

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