【大学野球】近大・勝田成が30試合連続出塁!“リーグ記録”田尾安志超えへ打率5割5分9厘
2025年5月19日(月)5時30分 スポーツ報知
8回無死、右前安打を放った近大・勝田成(カメラ・松ケ下 純平)
◆関西学生野球春季リーグ戦 ▽第6節1回戦 近大3—2関学大(18日・マイネットスタジアム皇子山)
朱色のバットで美しい弾道を描いた。近大・勝田成は、6回先頭で右翼へ二塁打を放った。趣味のダーツや最高スコア259のボウリングで養った集中力を発揮。これで昨春の関学大1回戦から30試合連続出塁を達成した。「節目の数字。伸ばしていきたい」と貪欲な姿勢を示した。
4月29日の京大戦2回戦は4四球で無安打。昨秋からの連続試合安打は10で途切れたが、「まずは毎試合で出塁を」と切り替えた。続く第4打席も右前打で出塁し、大学の先輩・佐藤輝明(現阪神)の通算88安打にあと1本とした。視察した阪神・岡本スカウトは「コンタクト率が高く、バットコントロールがうまい。守備力も高い」と評価した。
プロ野球では、94年にイチローが69試合連続出塁をマークした。勝田の30試合連続も驚異的で、今春の打率は5割5分9厘。関西学生の旧リーグ記録は、元中日・田尾安志の打率5割4分8厘(74年春・同大)、82年発足の新リーグ記録は、大阪桐蔭で18年に甲子園春夏連覇した青地斗舞の打率5割2分(21年秋・同大)。ともに塗り替える可能性が出てきた。「首位打者を狙いたいが、欲があるとチームが負けてしまう。チームが勝てば、それでいい」と、主将らしく振る舞った。
「見て学べ」が両親の教えだ。「応援ではなく、どういう動きをしているかを見ていた。(自分は)特殊だった」。守備での一歩目、打者ごとの守備位置をプロ野球観戦で身につけた。2—2の8回1死満塁では、二ゴロ併殺で勝ち越しを阻止した。「今年は人生が懸かっている。守備や相手を読む力を評価していただきたい」。身長163センチの“巨人”が、とんでもない記録を打ち立てる。(松ケ下 純平)