《「苗字別」ベストナイン》「山本由伸」がエースではなく、4番も「山本浩二」ではない“意外な結果”に! プロ野球界で“最強”の苗字「山本」でチームを組んだら…どうなった?

2025年5月17日(土)11時50分 文春オンライン

〈 なぜ読売ジャイアンツで「大投手」は育たないのか 「伝説の名投手たち」が弱小球団でばかり生まれる“悲しすぎる理由” 〉から続く


 プロ野球ファンなら誰しも「自分が考える最強のベストナイン」を妄想したことがあるはず。数あるプロ野球選手たちの「苗字」別にベストナインを組んだらどうなるのか。『 野球の記録で話したい 』(広尾晃著、新潮社)から一部抜粋し、お届けする。(全2回の1回目/ 続きを読む )



「史上最強の右打者」の一人、山本浩二は3番に……では4番は誰? ©文藝春秋


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 断言するが、日本プロ野球最強の「名前」は山本だ。実に強力な顔ぶれが並んでいる。


 1番にドラキュラと言われた個性派外野手の山本和範、近鉄に入団するもいったん戦力外となり、近所のバッティングセンターでアルバイトをしていたが南海に呼び戻された。筆者は電話でインタビューしたことがあるが、珍エピソードの宝庫みたいな人だった。


 2番に中日、近鉄の堅実な二塁手、山本静雄、そして3番はNPB史上最強の右打者の1人、ミスター赤ヘル山本浩二。打撃に加え、中堅手としても抜群の守備範囲と強肩を誇った。後に広島の監督。


苗字別“最強チーム”の4番は「南海のドン」


 4番は南海のドン、山本(鶴岡)一人、3塁手としてMVPもとった。この人も広島出身だ。


 5番は浩二と共に赤ヘル軍団の中軸を打った左打者の山本一義、6番に山本浩二と同時期で広島では「こうじのにせものー!」と呼ばれた左の強打者、山本功児、7番指名打者には東映で土橋正幸の球を受けていた強打の捕手山本八郎。


 8番捕手は阪神で大投手小山正明の相方だった山本哲也。この選手欄の一番下にある山本公士は哲也の弟。外野手で一度も規定打席に達していないが1966年に盗塁王になっている。9番遊撃手は戦前、好守で鳴らした山本尚敏。俊足でもあった。


 監督は文句なしに山本(鶴岡)一人。何しろプロ野球最多の1773勝、勝率.609も史上最高だ。この打線をみて「えっ」と思った人は大学野球通だろう。2番の静雄、3番浩二、4番一人、5番一義、6番功児は、全員「法政大学出」なのだ。法政大学は「山本姓」の強打者の宝庫だった。プロ野球のスカウトはプレーを見なくても法政大学の「山本」をマークすべきかもしれない。


先発一番手は「山本由伸」ではなく……


 投手陣では、最後の200勝投手、中日の左腕山本昌(山本昌広)。ひょうひょうとした投球スタイルだが、勝負強く、実働はプロ野球最多タイの29年。50歳まで現役も史上1位だ。


 10年前まで「チーム山本」にはこれに次ぐ投手がいなかったが、今や山本由伸がいる。オリックス時代の2021年から3年連続で沢村賞、MVP。今はドジャースで大谷翔平のチームメイト。この2枚は強烈だ。3番手は21世紀になって5球団を渡り歩いた山本省吾。


 クローザーは山本和行。チーム山本は先発が少ない。ここはかつての山本和がそうだったように、先発、抑えで頑張っていただきたい。


 救援投手はやや心もとなかったのだが、現役の山本拓実は、中日から日ハムに移籍し、小柄だが小気味よいマウンドを見せている。走者を背負っても実に粘り強い投球だ。同じく現役の左腕山本大貴もロッテからヤクルトに移籍し、中継ぎで好投。

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(広尾 晃/Webオリジナル(外部転載))

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