12歳鈴木唯 カンヌ会見で堂々発言「監督と私は相性が良かった...」 主演映画「ルノワール」

2025年5月19日(月)11時44分 スポーツニッポン

 子役の鈴木唯(12)主演の映画「ルノワール」(6月20日公開、監督早川千絵)が第78回カンヌ国際映画祭の最高賞「パルムドール」を競うコンペティション部門で公式上映された。上映後の現地時間18日、早川氏、鈴木、石田ひかりリリー・フランキーがフォトコールと公式記者会見に出席した。

 公式上映後には約6分間のスタンディングオベーションで賞賛を受けた今作。早速海外メディアから「エレガントで思慮深い作品」、「ニューカマーである鈴木唯の演技がまばゆく美しい」など絶賛の声が上がっている。

 フォトコールでは昨夜の熱狂そのままに世界各国から集まった大勢のスチールカメラマンやマスコミ陣から、激しいフラッシュを浴びた。特に、早川氏と鈴木には「チエ!」「ユイ!」と呼び声が集まった。

 公式記者会見での制作意図を尋ねられた早川氏は、「私が映画を撮りたいと思い始めたのは、『ルノワール』の主人公・フキと同じぐらいの年頃でした。その時に抱えていた気持ち、感覚をいつか絶対に映画にしたいと長年思ってきました。いつしか、子どもが主役の映画を撮りたいという思いを、今回、実現させることができました」と万感の表情。また、「子ども時代というのは、自分が何を感じているのか、起きているのかをなかなか言語化できない時期だと思うんです。当時、感じていた何か分からなかったものを、大人になって段々と分かってきて、自分は寂しかったんだ、哀しかったんだ、傷付いていたんだという気持ちを描きたいと思いました」と本作に込めた感情を明かした。

 

 続けて、早川氏と現場でどのようなやり取りがあったのかと質問を受けた鈴木は、「早川監督と一緒にフキちゃんの行動や考え方を話し合いました。監督と私は相性が良かったんじゃないなと思うほど、スポン、スポンとピースがはまっていくような感じでした」と堂々と回答。早川氏は「彼女が言う通り、私たちはとても相性が良かったです。フキという少女について、私と唯ちゃんは誰よりも彼女のことを理解していたので、撮影の中盤からは何も説明してなくても分かるから大丈夫だという状況になっていました」と振り返った。

 早川氏は鈴木の起用について、「フキはキャスティングがとても重要になると考えていたので、見つかるまでとにかく何百人でもオーディションを続けようと臨んだのですが、鈴木唯ちゃんが一番最初にオーディションに現れた瞬間、“ここにフキが居る”と思い、すぐに決まってしまいました」と語った。

 3度目のカンヌ国際映画祭参加となったリリーは、「この映画は、特定の国や文化を超えて、誰の心にも響くものがあると思います。私自身、この映画の大ファンとして、みんなと共にレッドカーペットを歩けたこと、そして多くの方に観ていただけたことをとてもうれしく思っています」と笑顔を見せた。

 早川監督は「PLAN75」を出品した2022年以来3年ぶり2度目のカンヌとなる。舞台はバブル経済絶頂期の1980年代。感受性豊かな少女が、不完全な大人の世界をのぞきながら、心の痛みに触れていくまでを描く。石田、リリーの他、中島歩、河合優実、坂東龍汰らが共演する。

スポーツニッポン

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