「シリアスな雰囲気」「感情が読み取れない」嵐“5人での活動終了発表”で、表情が硬かった大野智が唯一笑みを見せた瞬間は?
2025年5月20日(火)21時0分 文春オンライン
国民的アイドルグループ「SMAP」が解散したのが2016年末。
その約10年後、2026年5月に「嵐」も活動を終了することが発表されました。来春予定のコンサートツアーを最後に、来年5月いっぱいでグループ活動を終えるとのことです。

1999年にデビューし、昨年25周年を迎えていた嵐ですが、2020年末から活動休止。
その約2年前となる2019年1月27日に行われた活動休止会見は世間に大きな衝撃を与えましたが、先日の5月6日に活動終了を発表したコメント動画も、日本中に特大のインパクトを与えたのは言うまでもありません。
有料ファンクラブサイトで公開された動画は、3分強という短いものでしたが、相葉雅紀さん、松本潤さん、二宮和也さん、櫻井翔さんだけでなく、芸能活動を休止していた大野智さんも登場。5人がこうして顔を出して揃ったのは実に4年半ぶりでした。
久しぶりに登場した大野さんは緊張のためか、当初ほかの4人と比べてずいぶん表情が硬く、シリアスな雰囲気を漂わせていました。ですが最後には……。
今回は、2019年1月27日の“活動休止会見”と、2025年5月6日の“活動終了発表動画”を比較し、メンバーたちの表情や対応を分析したいと思います。
2019年、約1時間20分にも及んだ活動休止会見
まず約1時間20分にも及んだ2019年1月27日の活動休止会見を振り返ります。
東京都港区の旧ジャニーズ事務所で5人揃って行われた記者会見。メンバーは笑顔を見せながら登場し、和やかな雰囲気でスタートしました。
はじめにリーダーの大野さんが、2017年6月にメンバーを集め、「自分の嵐としての活動をいったん終えたい」という気持ちを伝えたことがきっかけであると説明。その時点での大野さんは、活動休止ではなく脱退・引退をするという意思だったようです。
会見で大野さんがその説明をしているとき、メンバー4人に笑顔はなく、基本的には穏やかな表情ながら、相葉さんと二宮さんは不安そうな表情や悩まし気な表情を見せる瞬間もありました。
ですが大野さんが記者から休業期間を尋ねられた際に、大野さんが困り顔ながらも笑みを見せ、すかさず櫻井さんが冗談っぽく「全然決まってないんでしょ?」と助け船を出すと、他のメンバーもわちゃわちゃと発言。嵐の5人らしい和気あいあいとした掛け合いが見られたのです。
次に、メンバー4人は大野さんの意思を初めて聞いたときの心境を一人ひとり尋ねられ、二宮さん、相葉さん、櫻井さんの3人は驚いたということを口にしていました。
そのなかで櫻井さんは、メンバー全員がきちんと納得する答えを出すための調整役は、「これは僕の役割だろうなと、その瞬間に思いました」と明言。この会見でもグループの方向性や5人全員の総意といった話は、櫻井さんの口から語られる割合が多い印象でした。
「僕は驚きはしませんでしたね」と語ったメンバーは…
一方、松本さんだけは慎重に言葉を選びながらも、「僕は驚きはしませんでしたね」と冷静に発言。さらに大野さんからの申し出以前に、「自分たちがいい形であるうちにグループを閉めるっていうことを実際考えたこともあったし、その話をメンバーにしたこともありました」と、松本さんから解散を相談した過去があったという衝撃の事実も、さらりと明かしていたのです。
しかし、記者から活動休止についての話し合いのなかで、ケンカや言い合いになったことはないかと質問されたときには、松本さんがすぐさま「ないです」と即答し、絆の強さをアピール。続いて二宮さんが「書きたそうですねぇ、ケンカしてたって(笑)」と笑いに昇華させるという連携を見せていました。
会見後半でも、活動休止という決断に至った心境について大野さんが問われるシーンがありました。当初、彼自身は休止というのは都合のいい選択で、けじめとしてグループ脱退・事務所退所をすべきだと思っていたようですが、その気持ちが活動休止へと変化した経緯について、次のように語っていたのです。
「(メンバーや事務所から)『お休みでもいいんじゃない?』って言葉(提案)が入ってきたなかで、『あ、そういう形でもよろしいんですか?』というか、その言葉に甘えたというか。そこで着地しましたね、最終的には、はい」
こう語る大野さんは途中で笑みをこぼす瞬間もあり、活動休止という思いがけない選択肢の提案を、ありがたく感じているという雰囲気が滲み出ていました。
2025年、わずか3分強の動画では…
続いて5月6日、有料ファンクラブサイト向けの3分強の動画の内容を分析していきましょう。
結論から言うと、この動画はメンバー個人それぞれの感情が読み取りにくいものでした。
というのも、4年半ぶりに5人が揃って各人が話したのは間違いないのですが、語られた内容は同日に嵐の公式Xと公式Instagramで発表した文面を、ほぼそのまま5人にパートごとに振り分けて発言していただけだったからです。
5人から動画でのみ語られた“内容”
文面との違いは、冒頭に全員で「皆さんこんにちは、嵐です」、最後に「嵐でした!」とあいさつしたことや、櫻井さんがはじめに「このように5人で揃う姿をお見せするのは実に4年半ぶりということで、皆さんどうもお久しぶりです」と語ったことなど、細部の追加のみ。
4年半ぶりにファンに顔を見せた大野さんも次のように語っていましたが、こちらも発表された文章と同じでした。
「時間をかけて、何度も話し合いを重ね、みんなで出した結論は、もう一度集まって、嵐としてのコンサートを行い、コロナによって叶えられなかった、ファンの皆さんに“直接感謝を伝える”“直接パフォーマンスを見てもらう”ということをもって、5人での活動を終了するということでした。活動を再開したその先に、また再び休止に入るということは考えられませんでした」
記者との質疑応答形式によって個々人の感情が引き出され、本音や素の表情が垣間見えた2019年の会見とは大きく違うというわけです。
ただ、今回の3分強の動画でも、表情などから心理状態を推察することはできました。
もっとも印象的だったのが、大野さんと4人の違いです。
動画スタート時、大野さん以外の4人はにこやかでリラックスした雰囲気。
櫻井さんが「このツアーをもちまして、嵐としての活動を終了いたします」と活動終了に言及した場面などは、全員が真剣なまなざしで笑顔はありませんでしたが、その場の空気感がピリピリしているといった感じはありませんでした。
ちなみに、3分間で一番多くの言葉を語ったのが櫻井さんで、前述したように最初に話したのも、活動終了を伝えたのも彼。2019年の会見でも櫻井さんが5人の意思を代表して話すことが多かったため、グループの総意をアナウンスする役割を主に彼が担っているのかもしれません。
さて、久しぶりに登場した大野さんは緊張していたのか、ほかの4人と比べてずいぶん表情が硬く、シリアスな雰囲気を漂わせていました。
しかし、最後に「以上!」「嵐でした!」とあいさつするときの「以上!」の掛け声は大野さんが担い、緊張がほぐれたのか大野さんも微笑み、はにかみながら締めくくっていたのが印象的でした。
嵐の活動終了まで残り約1年。来春のコンサートツアー以外の具体的な活動内容はまだ発表されていませんが、ファンクラブサイト向けのコンテンツには大野さんを含めた5人が登場する模様。国民的アイドルグループの有終の美を見守りたいと思います。
(堺屋 大地)