右腕切断の佐野慈紀氏 術後1年「不思議」な感覚明かす 「ないはずの指が...」
2025年5月28日(水)17時53分 スポーツニッポン
現役時代に近鉄、中日などで通算41勝を挙げた右腕で、昨年5月に感染症の悪化で右腕切断手術を受けた佐野慈紀氏(57)が28日、文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(月〜金曜後1・00)にゲスト出演。切断手術後、不思議な感覚に見舞われていることを明かした。
佐野氏は90年ドラフト3位で近鉄に入団、近鉄、中日、オリックスで活躍し353試合に登板、41勝31敗27セーブ、防御率3.72。近鉄時代には93年から5年連続40試合以上に登板し、中継ぎ投手として「1億円プレーヤー」となった。また、薄くなった頭髪を反対に「ピッカリ投法」などと売りにする明るい性格の持ち主。プロ野球OB戦「ドリームマッチ」などでは、同じく頭髪の薄い小田幸平、和田一浩らと帽子を飛ばして乱闘する「ピッカリ劇場」がお約束で、ファンからの人気も抜群だった。
昨年、56歳の誕生日だった4月30日にブログを通じ、糖尿病からの感染症により右腕を切断することになったと公表。2023年4月に「右足中指の感染」が発覚し、「重症下肢虚血 緊急の為、右足中指を切断」したことを明かしており、足は残すことができたというが、その後「心臓弁膜症」も発覚。血流が滞り、動脈硬化が激しく「一緒に戦ってくれた右腕 感動を分かち合った右腕 明日、お別れする」と、右腕を切断する決断に至ったと記していた。
術後1年がたち、「幻肢痛といって痛みが出るんですけど、ないはずの指が痛かったり、かゆかったり。肘の上から切ってるんですけど、脳が覚えてるんで。不思議なんですよね」と語った。
自著「右腕を失った野球人」を出版したことについて「この本を書くことになったのも正直、心臓弁膜症を患っているので。大げさですけど、いつ命途絶えるかわからないというのもあって。それともう一つは、今回のことでいろんな方から声をかけていただいた。その人たちの、少しでも一助になればと」と執筆した理由を語った。