人気絶頂で“交際0日婚”→現在は2児の母に…引退から8年、堀北真希(36)に今も「復帰して!」コールがやまないワケ
2025年5月29日(木)7時10分 文春オンライン
数年前と比べて配信プラットフォームが充実した昨今、懐かしいドラマや映画を観る機会が増えた人もいるだろう。その作品の中に、すでに芸能界を引退してしまった俳優たちを見つけた時は「復帰してくれたらなあ!」と思うこともある。
引退後もたびたびSNSなどで話題となる、そんな復帰してほしい俳優の1人が『野ブタ。をプロデュース』(2005年/日本テレビ系)、『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』(2007年/フジテレビ系)などに出演した堀北真希である。

“交際0日婚”→電撃引退が与えた衝撃
堀北は、中学生の時にスカウトされて芸能界入り。亀梨和也と山下智久が共演したドラマ『野ブタ。をプロデュース』でヒロイン役の地味な冴えない女子高生・小谷信子を演じ、ブレイクを果たすと、さまざまな作品でヒロイン役や主演を務めるように。NHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』(2012年度前期)ではヒロインの梅子を演じ、“朝ドラ女優”にもなった。
そんな堀北は、2009年に『アタシんちの男子』(フジテレビ系)で出会い、その後もドラマや舞台で相手役として共演した山本耕史と2015年に結婚。あまりにも突然の発表に、各種メディアでは「交際0日婚」とも言われたほど。2016年に第1子、2019年に第2子を出産し、現在は2児の母となった。
山本は、2024年にバラエティ番組『人生最高レストラン』(TBS系)に出演した際、その結婚の経緯を明かしている。山本は何度か堀北にアプローチをしていたが、「よければお付き合いしてよ」と言っても「本当にないです」とバッサリ。
だが、冗談半分で「じゃあ結婚しよ」と言ってみると堀北は少し考え始め、山本が「結婚だったら想像できるの?」と聞くと「想像できるかも」と答えたことから、ついに連絡先を交換し、交際に至ったのだという。ちなみに山本は、その後すぐに婚姻届を用意したことも明かしている。
自分を変えずに“自分に合う人”を探していたという山本が、「初めて自分が合わせたいって思ったんですよね」と当時を振り返るほどゾッコンになったのが堀北なのだ。
『花ざかりの君たちへ』で披露した“男装”が話題に
堀北の魅力はその美しさだけではなく、上述のエピソードに代表されるような、芯の通った強さや“オトコマエ”な性格ではないだろうか。
堀北がヒロイン役や主役を務め活躍していた2000年代後半から2010年代前半は、何人かの男性が同じヒロインに恋をする王道少女マンガのような展開のドラマや映画が数多く製作されていた。
堀北の代表作である『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』もそのひとつ。堀北が演じた芦屋瑞稀はひょんなことから、性別を偽って男子校へ入学。瑞稀は自分が女性であるとバレないように、やや乱暴な口調で話していた。
このような設定だからもちろん周りはほとんどが男性キャストで、共演には小栗旬、生田斗真、水嶋ヒロ、岡田将生ら当時の売れっ子や今でも第一線で活躍している人たちも。しかし、堀北の存在感は彼らに負けておらず、時には笑い合い、時には張り合いながら対等なかたちで学園生活を送る様子にワクワクさせられた。
さらに、この作品では特に、瑞稀と佐野(小栗旬)、中津(生田斗真)の複雑な恋模様も見どころ。女性であることがバレてはいけないのに、加速していく恋心を抑えることができなくなってしまう瑞稀の姿は、まさに“恋する女子”。今でいうジェンダーレスでカッコいい瑞稀とかわいらしい瑞稀のギャップに、見ているこちらも恋に落ちてしまいそうだった。
“母になった堀北真希”を求める声
瑞稀が“オトコマエ”さとかわいさを併せ持っているキャラクターならば、引退前の最後の作品となった『ヒガンバナ〜警視庁捜査七課〜』(2016年/日本テレビ系)で堀北が演じた来宮渚は、心の闇を抱えながらもそれを克服しようともがいている“オトコマエ”さが全面に出ている女性だった。
来宮は、自身の目の前で父が殺害されたショックで人が持つ悪意に過敏に反応し、シンクロしてしまう体質に。だが逆にそれを利用して、警察官となり事件を解決するようになる。
現場では被害者の感情にシンクロしすぎて意識を消失してしまうが、その直前に事件解決の糸口となる言葉を口走るため、必ず誰かがそばにいる。悪意が溢れすぎる世の中を嫌っているが、真実を解き明かすために心身を削る“ダークヒーロー”的な来宮は、堀北の新たな一面を引き出すものだった。
一方で、堀北は映画『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年)のようなノスタルジックな世界を舞台にした作品にもよく馴染んでいた。つまり、堀北はどんな作品にも溶け込む演技力を持った実力派で、彼女の作品を楽しみにしていた人は、老若男女問わず多かったのではないだろうか。
可憐さも美しさもあり、芯の通った女性でもあった堀北真希。世間では多部未華子、石原さとみら同世代の女優たちが堀北と同じように妻となり、母となった後にドラマや映画で母親役などを演じ、若手だったときとは異なる魅力を開花させている。
だからこそ、堀北がまだ第一線で活躍してくれていたなら、どんな女優になっていたのだろうと考えることをやめられず、やっぱり「堀北真希が復帰してくれたらなあ!」と思ってしまうのだった。
(久保田 ひかる)