受けて手にしたスーパーシード 八代七段が佐々木八段撃破で挑戦に前進 第38期竜王戦1組ランキング戦決勝

2025年5月29日(木)11時30分 マイナビニュース


第38期竜王戦(主催:読売新聞社)はランキング戦が大詰め。5月28日(水)には1組決勝の佐々木勇気八段—八代弥七段戦が東京・将棋会館で行われました。対局の結果、角換わり腰掛け銀の力戦から中盤で抜け出した八代七段が80手で勝利。1組優勝を決めるとともに挑戦者決定戦まであと1勝の好位置にコマを進めました。
○長考に好手なし?
本戦トーナメント進出を決めている両者、勝った方は挑戦者決定戦進出に最も近い「スーパーシード」の座を手にします。振り駒が行われた対局は先手となった佐々木八段が角換わり腰掛け銀を志向。対する八代七段は早繰り銀の趣向で迎え撃ちました。5筋の歩を早めに突いたのが八代七段の工夫で、「角交換に5筋を突くな」の格言に反するようでも十分戦えると見ています。
力戦調と思われた局面ながら佐々木八段も決断よく仕掛けを決行、銀交換から局面が動き出します。軽快に跳ね出した右桂の威力が大きく形勢は先手良しで、実際に佐々木八段も「決めにいきたかった」(局後)との感想。2時間近い長考のすえに編み出したのは軽快な歩成りで敵陣を乱す好感触の手筋でしたが、結果的にはこの攻め筋が敗着となりました。
○辛抱実った逆転劇
佐々木八段に長考が続きます。角を取られて攻めが細くなったのは予定の範囲内とはいえ、4筋への歩成りが後手玉への詰めろにならないのは大きなポイント。後手に反撃の手番がわたって形勢逆転が明らかになりました。戦いが夜に入ると、辛抱の時間を耐え抜いた八代七段の指し手が伸びを見せ始めます。8筋に銀を打ったのが左右挟撃の決め手でした。
終局時刻は21時19分、最後は自玉の受けなしを認めた佐々木八段が投了。終局図で後手玉は詰まず、先手玉は一手一手の寄り形でした。苦戦の中盤をひっくり返した八代七段は自身初、また順位戦C級2組所属棋士としても初となる1組優勝に。「これまで(各組の)決勝で何回か負けていたのでうれしい」とランキング戦初優勝の喜びを語りました。
水留啓(将棋情報局)

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