奥平大兼、出口夏希、佐野晶哉、菊池日菜子、早瀬憩「みんながいやすい空気をつくってくれた」青春映画で共演の5人が舞台裏を振り返る『か「」く「」し「」ご「」と「』【インタビュー】

2025年5月29日(木)12時0分 エンタメOVO

(C)2025『か「」く「」し「」ご「」と「』製作委員会    (C)2017住野よる/新潮社

 自分に自信のない高校生の京は、同じクラスの「ヒロインよりヒーローになりたい」という人気者ミッキーに憧れながらも、親友のヅカがミッキーと幼なじみのため、“友だちの友だち”で満足していた。ところが、内気で繊細なエルの不登校をめぐり、京とミッキー、エルの距離が急接近。そこに予測不能な言動でマイペースなパラが加わる。“人の気持ちが見えてしまう” という少しだけ特別なチカラをもつ彼らの思いが動き出す…。

 5月30日から全国公開となる『か「」く「」し「」ご「」と「』は、『君の膵臓をたべたい』の住野よるの同名小説を原作にしたみずみずしい青春映画。公開を前に、京役の奥平大兼、ミッキー役の出口夏希、ヅカ役の佐野晶哉、パラ役の菊池日菜子、エル役の早瀬憩が、撮影の舞台裏を振り返ってくれた。



−それぞれに活躍されている5人の皆さんがそろった貴重な作品ですが、まずお互いの印象を教えてください。

奥平 マサやん(=佐野)は、勝手に「テレビで見ている通りの人なんだろうな」とイメージしていたけど、実際に会ったら本当にそのまんまで。誰とでも分け隔てなく接することができ、裏表のない人だった。しかも、初日から一緒に食事に行って。そういうことはめったにないんだけど。

佐野 自然と「行こうか」みたいな感じになったよね。僕も、そんなふうになる人はそうそういないから、一緒にいて楽しい人だなって、最初から感じていました。

早瀬 なっちゃん(=出口)も思っていた通りの人だった。いるだけで場が明るくなるし、みんなを一瞬で笑顔にしてくれる。すべての行動、言動にうそがなく、清らかで素直な人だなって。

出口 うれしい。

菊池 太陽でありながら、でもまぶしすぎず、隣にいてすごく居心地がいい。輝きすぎていると、近づきがたいというか、浮世離れしているのかなと思いがちだけど、無言で隣にいても全然平気で。

出口 私も無言だと居心地悪くなっちゃう時もあったりするけど、一緒にいて全然気にならなかった。運命感じちゃった(笑)。奥平さんは、私の元々のイメージはナイーブな京くんそのものだったけど、じっくり話してみたら、結構ハキハキ話してるし、面白いし…。真逆でした(笑)。

佐野 クランクイン前、大兼と僕が男子校っぽいノリで、男2人でわちゃわちゃしていたら、そこにスッと入ってきたのが菊池さん。しかも、誰よりも爆笑して、そのノリを加速させていって。そんなふうに、常に人を笑わせることを考えていながら、実はすごく真面目でピュア。そして時々、ズバッと本質を突く。そういうところがパラっぽくて、「面白い!この人の頭の中どうなってるの!」と思った。

出口 めっちゃパラだよね。

佐野 クランクアップのあいさつも、すごく詩的な表現で感情を言葉にしていたし。そういう才能もあって、知れば知るほどいろんな面が見えてくる人だなって。

菊池 私は、(早瀬が出演した)『違国日記』(24)を見ていたので、イコちゃん(=早瀬)はそのまま、純朴でもの静かな小説の主人公的なイメージだった。だけど、実は魔性の女で(笑)。

早瀬 どういうこと?

菊池 スキンシップを取ってくれる。

出口 わかる。キュンとさせることが多いんだよね!

菊池 そう。後ろからハグしてきたり!(笑)。私はパラという役柄上、あんまりどぎまぎできないなと思って気丈に振る舞っていたんだけど、内心では「かわいい!」と思って、心臓ばっくばくだった(笑)。本当に魔性の女です。

早瀬 ありがとうございます(笑)。







−劇中では、5人で花火をするシーンが美しく印象的ですが、撮影はいかがでしたか。

奥平 あそこは、5人とも役ではいるんだけど、正直言って、普通に花火していただけだよね。

出口 本当にそのまんまの5人で遊んだって感じで。

菊池 モクモク出てくるへび花火がすごく楽しかった記憶がある。

奥平 監督もたぶん、あえて演出しないようにしていたんじゃないかな。花火のシーンに限らず、アドリブのシーンが多かったし。台本も、本来ならせりふが書いてあるはずのところが空欄になっていたりして、自由な部分が多かった。

菊池 そういうところも、たくさん使っていただいて。私は、京くんとミッキーが花火越しに見つめ合うシーンの2人の表情が良すぎて、涙ぐんじゃった。

出口 そうなの?

菊池 ちょっと切なくて。

早瀬 わかる。私もアフレコのとき、あのシーンを見ながら大号泣して、アフレコブースから出てきたら、みんなに笑われて(笑)。

一同 (爆笑)。

佐野 でも、よかったな、あのシーン。

菊池 あれを見て、絶対いい映画になるって確信した。



−共演する中で印象的だったことを教えてください。

佐野 後半で、ヅカとパラが2人で会話する緊迫したシーンがあるんだけど、その撮影の1週間くらい前から…。

菊池 しゃべらなくなった(笑)。

佐野 それまで仲良くしゃべっていたのに、その日だけめっちゃ冷たかった(笑)。「そんなに(役を)作るんだ?」と思って。

奥平 そうなんだ? 全然気付かなかった。

菊池 そのシーンはものすごく緊張していたんだよね。クランクインしたときから、カレンダーの撮影日に大きく印を付けていたぐらい。

早瀬 でも、みんなが空気を作ってくれた感じはすごくある。私だけ、クランクインが一日遅くて、前日にホテルに行った時、スタッフさんから「みんな今日の撮影で仲良かったから、エルみたいに1人になるかもよ」と怖いことを言われたんだけど…(笑)。私が一番年下で1人だけ年齢も離れているから、仲良くなれるかな?という緊張感もあったんだけど、すぐにマサやんがカメラを向けて、写真を撮ってくれて。おかげでみんなの輪にスッと入っていくことができた。

出口 現場に入った直後、私が1人で座っていたら、最初に話しかけてくれたのもマサやんだった。

奥平 そういえば、誰が最初にイコちゃん(=早瀬)からタメ口を使われるか、競争していたよね。

早瀬 知らないから、私それ。

佐野 1位誰だっけ?

奥平 多分、マサやんで。

出口 マサやんじゃない?

菊池 待って待って。私、絶対最初にイコちゃんと仲良くなってた。

佐野 いや、絶対俺。

菊池 いや、私。(クランクイン前の)お祓いの日に仲良くなったと思ってたんだけど…。

佐野 それは社交辞令です、初日だから(笑)。

早瀬 衣装合わせですれ違ったとき、一番最初に声をかけてくれたのがヒナ(=菊池)だった。だから、ヒナが最初ってことで(笑)。

佐野 負けた…。

出口 でも私も、人見知りが激しいので、撮影が始まるまでは1人でいた。

奥平 そうだったよね。途中から、表情が変わったけど。

出口 現場ではいつもそうなの。前回、奥平さんと共演したときも…。

奥平 すごく静かだった。

出口 今回は、みんなの空気感が本当に居心地がよくて、私も緊張感が全部抜けて、ありのままでいられるようになって。だから、私がミッキーでいられたのは、みんなのおかげです(笑)。

(取材・文/井上健一)

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