工藤夕貴&永瀬正敏『ミステリー・トレイン』ほかミニシアターでジム・ジャームッシュを大特集
2021年6月3日(木)15時0分 シネマカフェ
インディペンデント・シーンを牽引し、長年にわたり世界中の映画人たちから愛されリスペクトされてきたジム・ジャームッシュ監督。日本でも80年代後半から90年代のミニシアターブームを支え、そして日本の映画人たちにも大きな影響を与え、映画ファンから熱烈な人気を誇っている。
2017年に公開された『パターソン』ではアダム・ドライバーを主演に迎え、クチコミが広がり国内で大ヒットを記録。若者からシネフィルまで多くの観客を魅了してきた。
今回は、1986年に日本で劇場公開された初期三部作『パーマネント・バケーション』『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『ダウン・バイ・ロー』から35年の時を経て、ジャームッシュ監督の初期作から最新作まで豪華12作品が一挙スクリーンで公開。1980・90年代のミニシアターブームの中心地、新宿、有楽町、渋谷、吉祥寺の映画館をジャック。さらに、都内4館以外にも全国順次公開予定となっている。
この度上映されるのは、ジャームッシュ監督の大学卒業制作にして、これまで観たことのないオフビートなスタイルで世界中の映画ファンを虜にした長編デビュー作『パーマネント・バケーション』(80)。
カンヌ国際映画祭カメラ・ドールを受賞し、その名を一躍世界中に知らしめた『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(84)。
“酔いどれ詩人”の異名を持つカリスマシンガーのトム・ウェイツ映画初主演『ダウン・バイ・ロー』(86)。
工藤夕貴と永瀬正敏が出演し話題を呼んだ『ミステリー・トレイン』(89)など、日本の映画ファンが大きな影響を受けた名作が並ぶ。
さらに、ウィノナ・ライダーら豪華キャストが、5つの都市を舞台にタクシーの車内で起こる出来事を描いた『ナイト・オン・ザ・プラネット』(91)。
ジョニー・デップ主演、ニール・ヤングの即興演奏に魂を揺さぶられる西部劇『デッドマン』(95)。
武士道とヒップホップが融合、フォレスト・ウィテカーがサムライの殺し屋を演じた『ゴースト・ドッグ』(99)など実験的なスタイルに挑んだ90年代の人気作もラインアップ。
個性豊かな俳優やミュージシャン、コメディアンが次々に登場する短編集『コーヒー&シガレッツ』(03)。
ティルダ・スウィントンとトム・ヒドルストンが“吸血鬼”に扮する異色のラブ・ストーリー『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(13)。
アダム・ドライバーがバスの運転手を演じ、何気なくもかけがえのない日常を綴った『パターソン』。
イギー・ポップ率いる伝説のバンド「ザ・ストゥージズ」に迫るドキュメンタリー『ギミー・デンジャー』(16)。
そして、映画ファンの記憶にも新しいアダムやビル・マーレイら常連組からセレーナ・ゴメスらジャームッシュ組のオールキャストが集結したゾンビ映画『デッド・ドント・ダイ』(19)の12作品。
鮮烈なデビュー作からミニシアターブームを牽引し、常に映画ファンの心を掴んできたジャームッシュ監督。新型コロナウイルスの影響によりミニシアターが苦境に立たされるいま、ジャームッシュ監督作品が再びスクリーンで味わえる二度とない貴重な機会となっている。