【観察眼】22兆円市場に急成長!氷雪を生かせば金山銀山になる

2025年1月13日(月)22時30分 Record China

中国では北方だけでなく南方の都市でも、ウインタースポーツを新たな消費の成長分野として育成している。

中国・ハルビン国際氷雪祭がこのほど開幕し、冬の活力と歓喜に火をつけた。中国の東北に位置する黒竜江省の省都・ハルビン市は人気の旅行先となり、氷雪大世界をはじめとする観光地は多くの観光客でにぎわっている。一方、新疆ウイグル自治区のアルタイ地区は、その優れた雪質と滑走体験でスキー愛好家の人気を集めている。中国では北方だけでなく南方の都市でも、ウインタースポーツを新たな消費の成長分野として育成している。現在、ウインタースポーツは南方への発展、西方への拡大、東方への進出を図る「南展西拡東進」のペースが加速しており、全国各地でウインタースポーツブームが高まり、「氷雪経済」は地域経済の成長を推進する明るい要素となっている。



統計によると、2023-2024年のスノーシーズンに新疆ウイグル自治区を訪れた国内外の観光客は9258万人で、前年同期比147.78%の増加。観光収入は前年同期比263.74%増の1067億元(約2兆2407円)に達した。



北京冬季五輪の成功を契機に、中国のウインタースポーツと氷雪産業は急速に発展し、「3億人のウインタースポーツへの参加を促進する」という目標が現実のものとなった。現在、氷雪産業の規模は1兆元近くに達している。2024年冬季博覧会で発表された「中国氷雪産業発展研究報告(2024)」によると、中国の氷雪産業の規模は2015年の2700億元(約5兆6700円)から2024年には9700億元(約20兆3700円)に増加し、2025年には1兆元(約21兆円)を突破し、1兆53億元(約22兆円)に達する見通しだ。



北京冬季五輪は、中国のウインタースポーツの飛躍的な発展を後押しした。かつてマイナーだったウインタースポーツは、いまや多くの人々に親しまれるスポーツとなり、氷雪観光やトレーニングなどの関連産業も急速に発展し、巨大な市場を形成している。最新のスノーシーズンの氷雪レジャー旅行者数は延べ5億2000万人に達し、観光収入は6300億元(13兆2300億円)を超える見込みだ。



近年、冬季五輪の影響とウインタースポーツブームの持続によって、中国のウインタースポーツ用品市場はかつてない活況を呈している。個性化・専門化・スマート化が進む中、VRスキーゴーグルや発熱式スノーシューズといった革新的な製品が次々と登場。ウインタースポーツの快適性と柔軟性を高め、消費者に多彩な選択肢と体験を提供している。現在、中国では15のウインタースポーツ関連製品体系が整備され、個人用から競技場用、競技向けからレジャー向けまで、全産業チェーンにわたる供給体制が構築されている。関連企業数は2015年の約300社から2023年には約900社に増加し、売上高は2015年の50億元(約1050億円)未満から2023年には約220億元(約4620億円)まで増加した。



中国の「ウインタースポーツブーム」は日本ブランドにも巨大なビジネスチャンスとなっている。日本貿易振興機構(JETRO)は2024年12月20日から22日にかけて、中国河北省張家口市の崇礼雲頂スキー公園で「日本ウインタースポーツブランド体験イベント」を開催した。300平方メートル規模の会場には、日本から14の有名スキー関連ブランドが集結し、中国のスキー愛好家に日本のスキー製品やウィンタースポーツ理念を紹介した。ヨネックス(上海)体育用品有限公司スノーボード販売部部長の大塚幸博氏はイベント会場で中国のスキー愛好家の情熱を目の当たりにして、「日本のスキーブランドが中国のスキー場に集結してイベントを行うのは今回が初めてだ。厳しい寒さの中、多くのスキー愛好家が来場し、熱心に問い合わせをしてくれた」と述べ、さらに、「私たちメーカーも、2022年北京冬季オリンピック以降の中国のウインタースポーツ市場の急速な発展を実感している」と語った。



今後、ウインタースポーツ市場では、スマート技術を活用したスポーツ用品の開発や施設の整備、中国独自の特色を持つ器材の開発が進んでいく。これにより、多様化・個性化された消費者のニーズが満たされ、より多くの人々がウインタースポーツに魅了されていくことだろう。(提供/CRI)

Record China

「雪」をもっと詳しく

「雪」のニュース

「雪」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ