北朝鮮大使館の「間貸し」に業を煮やすポーランド

2018年4月1日(日)6時0分 デイリーNKジャパン


ポーランドのワルシャワ駐在の北朝鮮大使館が、建物の一部を民間業者に貸し出している件について、ポーランド政府が改めて事業の中止を求めたと、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。


ポーランド外務省はVOAの取材に対し、3月中旬に賃貸契約を即刻解除しなければ、追加の措置を取るとの警告書簡を北朝鮮大使館に発送したと明らかにした。また、建物に入居している最大の業者から契約解除する約束を取り付けたともしている。追加措置の内容については現在模索中とのことだ。


大使館の建物は、ネットテレビ局の4funTV、イベントスペース、音楽学校、製薬会社などに貸し出されているが、4funTVのホームページには今でも本社が北朝鮮大使館と同じワルシャワ市内のボブロヴィエツカ通り1番地と表記されている。


北朝鮮の5回目の核実験を受けて国連安全保障理事会が昨年12月に採択した制裁決議2321号は、「全ての国連加盟国が、その領域内において北朝鮮が所有し又は賃貸している不動産について、外交又は領事活動以外のいかなる目的での使用も禁止する」としている。また、外交目的で登録された不動産を営利活動に使用することは、外交官の特権を定めたウィーン条約に違反する行為だ。


しかし、北朝鮮はポーランドのみならず、ドイツ、ルーマニア、ブルガリアなどでも同様の事業を行ってきた。


一例を挙げると、ドイツの首都ベルリンの中心部にある北朝鮮大使館は、宿泊業者に建物の一部を貸し出して毎月3万8000ユーロ(約498万円)の賃貸収入を上げていた。ドイツ政府は再三再四、賃貸契約の解除を求めた結果、大使館側は契約解除を申し出たが、業者は猛反発し、賃貸料の支払いを止めた。宿泊施設は今でも営業を続けている。

デイリーNKジャパン

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