中国AI、表面的にはにぎやかだが実際は混乱?―香港メディア

2025年4月3日(木)9時0分 Record China

1日、香港メディア・香港01は、DeepSeekの登場で一層加熱した中国での人工知能(AI)モデル開発について、専門家が「表面はにぎやかだが、中身の部分は混乱している」との認識を示したことを報じた。

2025年4月1日、香港メディア・香港01は、DeepSeek(ディープシーク)の登場で一層加熱した中国での人工知能(AI)モデル開発について、専門家が「表面はにぎやかだが、中身の部分は混乱している」との認識を示したことを報じた。



記事は、近ごろ中国を含む世界で人工知能、特に大規模言語モデルが爆発的に注目を集めており、中でも1月末の春節前に登場したDeepSeekが、人々のAI熱を高める大きな要因になったと紹介する一方で、3月29日に行われた2025年中関村フォーラム汎用人工知能フォーラムにて専門家から冷静な指摘が飛び出したことを伝えた。



記事によると、北京大学通用人工知能学院の朱松純(ジュー・ソンチュン)院長は現在のAI議論が大規模モデルに偏り、基礎研究や真のイノベーションが軽視され、「技術投機」の雰囲気の中で、本来AIの発展を支えるべき基礎研究者がないがしろにされていることを強く批判。現在の状況を「表面はにぎやかだが、実質は混乱している」と表現し、その具体例として、AI専門家ではない院長が率いるAI学院、利益が出ていないのに高く評価される企業の存在、中国におけるAI理解の不足、西側諸国の動向を追随する姿勢を問題視した。



また、朱氏はAIイノベーションを哲学からエンジニアリングまでの5段階に分け、現在の「イノベーション」はアルゴリズムと実装のレベルにとどまっており、知能の本質に関する理論的なブレークスルーがないとも指摘。米中競争において真の突破口を開くためには、計算能力の向上だけでなく、哲学・理論レベルでのイノベーションが不可欠であり、AIの未来は複雑な社会システムを扱う人文科学にあると主張した。



記事はその上で、中国の学術界ではすでに「どのようなAIを目指すべきか」という、より根源的な議論が起こり始めていると紹介。この議論の中では、朱氏が指摘するように、真のイノベーションの根底には文化や価値観が深く関わっているという認識が示されていると伝えた。



さらに、北京郵電大学知能科学技術センターの鍾義信(ジョン・イーシン)教授は、中華文明のパラダイムはAIに必要な科学的方法論と高度に適合しており、西洋のアプローチとは異なる強みがあると強調したことを紹介。西洋科学の形式主義偏重が精神や意識を排除し、AIの発展を限定してきたとの認識を示した上で、複雑な問題を分割して考える西洋の思考法に対し、東洋では全体論的な視点が重視されると説明し、問題の完全な理解には形式・内容・価値の統合が必要だと論じていると解説したことを伝えた。



鍾氏は「構造主義、機能主義、行動主義に基づくAI研究は局所的な成果しか得られない」とし、DeepSeekが優れていてもそれはあくまで既存の枠組みの上にあるもに過ぎず、真の革新に向けては他の可能性を探るべきだと主張している。



記事は最後に、AI思考は技術や人間の代替という表面的な問題を超え、より深い理論的・哲学的問いが必要であり、中国の指導部が提唱する「人類運命共同体」に合致するAIを求めていると締めくくった。(編集・翻訳/川尻)

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