AIは「電気を食う怪物」?電力不足に直面?中国のソリューションに注目

2024年4月18日(木)7時30分 Record China

AIが急速に発展する裏で、消費電力の問題が日増しに顕在化し、業界の注目点になっている。

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人工知能(AI)が急速に発展する裏で、消費電力の問題が日増しに顕在化し、業界の注目点になっている。



AIはどれくらい電力を消費するのか。米メディアによると、ChatGPT(チャットGPT)は1日当たり約2億件のニーズに応え、消費する電力は50万kWhを超え、米国1万7000世帯分の1日当たりの電力使用量に相当するという。



現在、中国の総計算力は世界2位だ。AIの消費電力も中国が対処しなければならない問題となっている。



具体的にAIと電力の関連技術の向上を図ると同時に、中国はマクロ的側面から「問題解決のアプローチ」を編み出した。



青海省には太陽光、風力、水力を含む豊富なグリーン電力資源がある。2023年末現在、同省ではクリーンエネルギーの発電設備容量が5100kWを超えて92.8%を占め、発電量が84.5%以上を占めた。



しかし豊富なグリーン電力は「現地では使い切れず、外へ送ることもできない」問題に直面する。グリーン電力はその不安定さにより、外部への送電が難しく、現地で消費するしかないが、現地では使い切れるだけの需要がない。



AI計算力は大量の電力を必要とし、青海ではグリーン電力が余っている。データセンターを青海に引っ越せば、「グリーン電力」は「グリーン計算力」に変えることができる。中国電信(国家)デジタル青海グリーンビッグデータセンターでは、風力・太陽光・水力などのクリーンエネルギーの相互補完を通じて、データセンターへの100%のクリーンエネルギー供給を実現した。



その上、データセンターを青海に建設すれば、電力の問題を解決できるだけでなく、冷却のためのエネルギー消費を大幅に削減できる。青海の気候が寒冷で乾燥しており、データセンターは1年のうち314日が自然冷却が可能で、冷却用電力消費が全国平均より約40%少ない。



この面ではパイオニアがいる。同じように電力と気候の面で優位性を備えた貴州省だ。国家級AIトレーニング施設は同省貴陽市に建設された。貴州省と広東省深セン市は計算力共同発展戦略協力協定に調印し、ファーウェイクラウドコンピューティング技術は貴州省貴安新区と協力して世界トップレベルのスマート計算力センターを設立した。ファーウェイクラウドの大規模言語モデル「盤古」、訊飛星火の2つの基礎的大規模AIモデルは貴州産業化プロジェクトから始まった。貴州省と浙江省は文化観光PR役のバーチャルヒューマン「杭小憶」を共同で制作した。



貴州省は昨年、スマート計算チップを8万枚に増やした。総計算力は28.8倍成長した。同省の掲げる目標は、東部のモデルトレーニングに向けて、低コスト、高品質、使いやすい計算力サービスを提供することだ。



貴州と青海のグリーン計算力産業が勢いよく発展する裏には、より大規模なプロジェクトである「東数西算」(東部地域のデータを西部地域で保存・計算すること)プロジェクトがある。土地、水・電力、運営・メンテナンスなどの要素の影響により、東部地域のデータセンターは運営コストが高い一方で、広い西部地域には相対的に豊富な再生可能エネルギー、クリーンエネルギー、土地資源があり、優れた気候条件によりデータセンターの運営におけるエネルギー消費を削減し、二酸化炭素の排出量を削減することが可能だ。そのため、データセンターを西部の資源が豊富な地域に集積するよう誘導すれば、西部地域のデータセンターの低炭素、グリーン、持続可能な開発を推進することができる上、東部地域の計算力ニーズにも応えることもできる。



ここ数年、AIがもたらしたエネルギー消費の問題が幅広い議論を巻き起こしている。一方、中国は2021年にすでに「東数西算」プロジェクトをスタートさせており、高い先見性があったことは間違いなく、中国が現在の計算力競争で優位性を備える上で大きな後押しとなっただろう。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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