スーダン戦闘が3年目突入、世界最大の人道危機に…支援必要な子供は1500万人以上

2025年5月3日(土)16時3分 読売新聞

2日、ユニセフが運営するスーダン東部ポートスーダンの病院で、栄養不良の子供を案じる母親ら=笹子美奈子撮影

 【ポートスーダン(スーダン東部)=笹子美奈子】アフリカのスーダンで2023年4月に始まった国軍と準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)の戦闘は3年目に突入した。人道支援を必要とする子供は1500万人以上に上り、世界最大の人道危機になっている。

 東部ポートスーダンで国連児童基金(ユニセフ)が運営する病院には、栄養不良の子供が日々運び込まれる。一つのベッドを2、3人で共有し、腕が折れそうなほど細くなった子供がぐったりと横たわっていた。母親らが懸命にミルクをシリンジで飲ませているが、子供は泣く体力も尽きて目を開けようとせず、母親の胸に顔をうずめて動かない。

 サイダ・アダムさん(30)は、激戦地の首都ハルツームの病院で停電が続く中、娘ダナちゃん(1)を出産した。戦闘の収束が見えず、戦火をくぐり抜けて3日かけてポートスーダンに逃れた。年上の子供3人の出産時は母乳がよく出たのに、今回は3か月で出なくなった。ダナちゃんが深刻な栄養不良と高熱で2週間前から何も食べなくなったため、病院に駆け込んだ。「ちゃんと育つのか不安でならないが、なすすべがない。戦争の行方は私たち市民には分からないから」と目を伏せた。

 ユニセフによると、スーダンの昨年の急性栄養不良者数は前年と比べ43・8%増えた。今年は5歳未満の子供77万人が急性栄養不良に陥ると推計されている。昨年のコレラ感染件数は4万9000件、デング熱は1万1000件以上に上り、60%が母親と子供だった。戦闘の影響で支援物資の60%以上が避難民に届いていないという。

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