「中国は信頼性に欠ける」「米国の非難は偽情報」…NPT準備委、米中対立で勧告案合意できず

2025年5月10日(土)11時15分 読売新聞

 【ニューヨーク=金子靖志】来年の核拡散防止条約(NPT)の再検討会議に向け、ニューヨークの国連本部で開かれていた第3回準備委員会は9日、閉幕した。来年の再検討会議で合意文書のたたき台となる勧告案を巡り合意できず、議長作成の作業文書として配布されるにとどまった。核保有国に軍縮交渉を促す成果文書の採択も見送られた。

 議長を務めたガーナのハロルド・アジュマン国連大使はこの日の会合で、「現時点で各国間の合意は不可能と判断した」と語った。勧告案について、中国が核兵器の「先制不使用」の明記を提案したが、米国は「不透明な核戦力拡大を続ける中国は信頼性に欠ける」と批判。これに中国が「米国の非難は偽情報だ」などと反論し、対立が際立った。

 NPTは、核保有を米露英仏中に限定して核軍縮交渉を義務付け、その他の国への核拡散も防ぐ枠組みだ。履行状況を点検し、新たな目標を設定する再検討会議は原則5年ごとに開かれているが、2015年と22年の直近2回は決裂した。

 来年の再検討会議は4月27日から5月22日に国連本部で開かれる予定で、議長にはベトナムが内定した。準備委での米中の対立は、来年の会議に向けて不安を残すことになった。

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