ロシアとウクライナ対面協議へ、プーチン氏欠席にゼレンスキー氏「露代表団は低いレベル」

2025年5月16日(金)0時50分 読売新聞

トルコのアンタルヤで、米国のルビオ国務長官(右)と話すウクライナのシビハ外相(左)=シビハ氏の15日のSNSから、ロイター

 【イスタンブール=蒔田一彦】ロシアとウクライナは15日にもトルコのイスタンブールで、ウクライナ侵略を巡る和平に向けて高官級の直接協議を行う見通しだ。対面での直接協議は2022年3月以来となる。プーチン露大統領が協議を呼びかけ、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が首脳同士の協議を逆提案したが、両首脳の会談は実現しない公算が大きい。

 露大統領府は14日夜、協議に臨む代表団を発表した。22年の協議でもトップを務めたウラジーミル・メジンスキー大統領補佐官が団長となり、プーチン氏は代表団に含まれなかった。

 メジンスキー氏は15日、イスタンブールで記者団に対し、今回の協議は「22年に中断された和平プロセスの継続だ」と指摘し、目的について「長期的な平和を確立し、紛争の根本原因を除去することだ」と語った。

 ゼレンスキー氏は15日午後、トルコの首都アンカラでタイップ・エルドアン大統領と会談した。その後の記者会見で、ロシアとの直接協議に臨む代表団はルステム・ウメロフ国防相が率いると明らかにした。協議は15日夜か16日に行われるとの見通しも示した。

 露代表団については「低いレベルだ」と批判し、「彼らが戦争終結について話し合い、意思決定をする用意がなく、政治的な意志に欠けていることを意味する」と指摘した。ロシアが交渉に真剣ではない場合、米欧による対露制裁を強化する必要性も強調した。

 今回の直接協議の目的は、米欧から支持を取り付けている30日間の無条件停戦を実現させることだとの立場も改めて示した。ウクライナはまず30日間の停戦を実現させた上で、本格的な和平交渉に臨みたい考えだ。ただ、停戦の前にウクライナの「非軍事化」や「中立化」を求めるロシア側との意見の隔たりは大きく、協議は難航が予想される。

 和平交渉を仲介してきた米国のトランプ大統領は15日、必要であれば16日にトルコ入りする考えを示した。自らがロシアとウクライナに促していた直接協議が進展して双方の首脳が訪れる場面があれば、自身も加わる意向とみられる。訪問先のカタールで記者団に語った。ロイター通信によると、トルコ入りしている米国のルビオ国務長官らは16日にイスタンブールに移動する予定だ。

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