中国製戦闘機J10C、フランス製を撃墜「軍事神話は打ち砕かれた」…印パ衝突は各国兵器の応酬だった

2025年5月17日(土)19時11分 読売新聞

中国製戦闘機「J10C」

 【ニューデリー=浅野友美】10日の即時停戦まで続いたインドとパキスタンの攻撃の応酬では、両国が多くの外国製兵器を投入した。パキスタン軍が中国製戦闘機でインド軍のフランス製戦闘機を撃墜したと主張したのを受け、インドは南アジアの安全保障を巡り危機感を強めたとみられる。

 パキスタン軍は、7日にインド軍の戦闘機6機を撃墜したと主張している。6機には、仏製「ラファール」が含まれていたという。印パが領有権を争うカシミール地方で起きたテロの報復としてインドから攻撃を受け、パキスタンが反撃した形だ。

 パキスタン高官は7日、中国製戦闘機「J(殲)10C」で撃墜したと説明した。武器調達の脱ロシア化を図るインドは2022年までにラファール36機を導入してきた。インドはラファール撃墜を認めていないが、ロイター通信は撃墜が事実だとする米当局者の話を報じた。

 J10Cにステルス性能はないが、最新レーダーを搭載するなど改良が進む。価格はラファールの半分以下だとされる。中国系香港紙・大公報は9日、撃墜が事実ならJ10Cが空対空戦闘で敵機を撃ち落とした最初の事例になると指摘し、「『西側の軍事神話』は中国に打ち砕かれた」と絶賛した。インドと国境問題で対立する中国とパキスタンは伝統的な友好関係にあり、パキスタンは武器輸入で中国依存を深めている。

 一方、インドのナレンドラ・モディ首相は13日、ロシアから購入した防空ミサイルシステム「S400」が役割を果たしたと強調した。国内で開発・製造された地対空ミサイルシステム「アカシュ」も使用し、モディ氏は「インド製武器の時代の到来を世界が目撃している」とアピールした。

 英国際戦略研究所のダグラス・バリー研究員はロイターの取材に対し、今回の戦闘について「戦術や使われた装備、何が効果的だったかなど各国の空軍や航空専門家は多大な関心を示すだろう」と指摘した。

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