トランプ政権とは一線、対ロシア制裁強化…EU「影の船団」タンカー規制拡大

2025年5月21日(水)10時28分 読売新聞

20日、ブリュッセルで、EU国防相理事会に出席したEUのカラス外交安全保障上級代表(中央右)=AP

 【ブリュッセル=酒井圭吾】欧州連合(EU)は20日、ブリュッセルで外相・国防相理事会をそれぞれ開いた。米国とは一線を画し、ウクライナを侵略するロシアへの経済制裁強化の継続で一致した。外相理事会では、露産原油収入などを標的とした第17弾となる対露制裁で合意した。

 第17弾制裁では、露産原油の迂回うかい輸出に使われている「影の船団」について、過去最大となる189隻のタンカーを対象とした。これで対象の船団は約340隻となる。精密製品や工作機械パーツなど軍民両用の製品の輸入制限も拡大した。

 ロシアの天然ガスや金融機関を標的にした、今後の大規模な追加制裁の発動についても議論した。トランプ米政権が制裁強化に消極的な姿勢を示す中、圧力を緩めない方針を打ち出した。カーヤ・カラス外交安全保障上級代表(EU外相)は会合後の記者会見で「最優先事項は完全かつ無条件の停戦だ。そのために更なる圧力をかける」と述べた。

 外相理事会では、シリアに対する経済制裁の解除でも合意した。米国は既に解除方針を表明しており、シリアは欧米からの復興支援や経済援助を受けることが可能になる。

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