【観察眼】中国企業、ビル・ゲイツ氏の予言を現実に

2025年5月23日(金)9時20分 Record China

中国ハイテク分野の2本のニュースが世界の技術界に衝撃を与えている。

この数日、中国ハイテク分野の2本のニュースが世界の技術界に衝撃を与えている。ひとつは、ファーウェイによるHarmonyOS5を搭載したパソコンの発表だ。これは、中国国産OSがPC分野でWindowsとMac OSの独占を打破し、世界第3位のOSになる可能性を示している。もうひとつは、シャオミが自主開発・設計した3ナノメートルチップ・玄戒O1の大規模量産の開始の発表だ。同社は世界で4番目にハイエンドチップを開発できる企業となった。これにより、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が5年前に語った「米国の規制措置は中国科学技術のレベル向上を効果的に抑制できないばかりか、むしろ中国製チップの研究開発プロセスを加速させる可能性がある」という予言が現実のものとなった。



日本のヤフーユーザーの反応を見てみよう。「最先端の半導体分野の一角を中国企業が占めるようになれば、業界の勢力図が一変するだろう。中国は日本や欧米の技術力に10年で追いつくため、半導体やAI、EV、宇宙開発などの人材育成に巨額の資金を投入してきた。それが見事に功を奏し、ファーウェイ、シャオミ、BYDなどの世界的な企業が誕生したのだ」「米国がいかにハイテク製品の輸出を制限しても、中国のAI技術は遅かれ早かれ米国に追いつくだろう。米国の政策はハイテク分野での各国間の協力開発を阻害しているが、トランプ氏はまだそれを理解していないようだ」といった声が寄せられている。



米国は2018年から中国のAI開発を阻止する政策を段階的に実施してきた。しかし、現在、その持続可能性に疑問が呈されている。米半導体大手のエヌビディアCEOのジェンスン・フアン氏は4月30日、ワシントンで開かれた科学技術サミットで中米の科学技術力の差について問われ、「中国は遅れていない。中国は私たちに追い迫っており、非常に接近している」と率直に述べた。



中国のAI実力に対するフアン氏の評価は非常に客観的かつ正しいものだ。2025年初から現在までの5カ月間だけでも、中国のAI業界では世界を驚かせる多くの出来事があった。宇樹科技(ユニツリー)のロボットは日本の紅白歌合戦にあたる旧正月の大型番組「春節晩会」の舞台で、東北地方伝統のヤンコ踊りを披露し、大きな注目を集めた。彗星のように登場したDeepSeek(ディープ・シーク)は、国内のスマホメーカー、ポータルサイト、銀行、政府業務プラットフォームなどに続々と接続された。さらに、世界初の汎用エンボディドAIプラットフォーム「慧思開物」が発表され、人型ロボットハーフマラソンが北京で開催されるなど、日々さまざまなニュースが話題となっている。これらは、中国がAI分野で米国との差を縮小し続け、分野によってはすでに一部で凌駕したことを示している。



AI産業の発展には「人材、計算力、モデル、データ、電力」の5要素が不可欠とされるが、中国はそのうちの4つの要素に優れている。シンガポールのコンサルティング会社の創始者である張帆氏によれば、中国のAI人材の数は2016年から米国を約1万5000人上回り、その優位性は拡大し続けているという。AIモデルに関しても、DeepSeekの技術力は米AI会社OpenAIに代表される世界の最前線に迫っている。加えて、中国はAIの応用シーンの豊富さと広範な実装で顕著な優位性を示しており、データの蓄積と処理能力も強化され続けている。また、AI訓練に必要なエネルギーの点でも、中国の電力インフラはすでに米国を1〜2世代リードしている。一方、アメリカは計算力においては強みがあるものの、計算力はハイエンドチップに依存するため、チップの輸出を制限して時間を稼ぐしかない状況にある。張帆氏はこうした状況を踏まえて、「米国のチップ規制措置はやむをえない選択だ」と指摘している。



長期的にみれば、米国の対中チップ規制政策は、米企業および同盟国企業の中国市場における収益を減らすだけでなく、米国企業の研究開発への継続的投資を減少させ、ひいてはAI分野におけるイノベーション能力と速度を削ぐことになるだろう。今年4月、エヌビディアは米政府の対中輸出規制の強化によって、最大55億ドルの損失が生じると発表した。米国のAMD社も5月、米国のチップ輸出規制により、年間売上高が15億ドル減少する見込みだと発表した。フアン氏は中国市場への重視を繰り返し表明している。英フィナンシャル・タイムズ紙によると、エヌビディアは中国市場での競争力を維持するため、上海に新たな研究開発センターを設置することを検討中だ。



ビル・ゲイツ氏をはじめ、エヌビディア、マイクロソフト、AMDなどの幹部たちは米国に対し、対中チップ輸出規制の緩和を何度も呼びかけている。しかし、米政治家は依然として企業家の呼びかけを無視し、中国のAI産業の発展を政治的手段で抑えようとしている。先日、中米が互いに関税引き下げを宣言した翌日、米商務省は世界に向け、ファーウェイの「昇騰(Ascend)AIチップ」を使用してはならない警告し、さもなければ制裁に直面すると脅した。米国は、中国企業や関連業界への抑制をますます強化している。



米国によるファーウェイ製チップの禁止や中国へのチップ輸出規制は、まるで鏡のように、中国の科学技術の強靭性を映し出すと同時に、米国の科学技術覇権主義の横暴さをも露呈している。しかし、「昇騰910C」から「玄戒01」へ、さらにリソグラフィ技術のブレークスルーからファーウェイ7ナノメートルチップの量産に至るまで、ファーウェイとシャオミの飛躍によって、ビル・ゲイツ氏の予言は現実のものとなった。米国の圧力の中、中国半導体産業はハイエンドチップの自主開発に挑み続け、新たな世界を切り開いていくだろう。(提供/CRI)

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