軍事とIT 第543回 陸上の電波兵器(3)陸からの対水上監視・交戦

2024年2月3日(土)11時35分 マイナビニュース

日本では、もう四半世紀ぐらいにわたって地対艦ミサイルの配備・運用を続けている。陸上自衛隊の地対艦ミサイルは国産品だが、近年、海外ではRGM-84ハープーンやRGM-184 NSM (Nytt Sjønomålsmissil / Naval Strike Missile)といった艦対艦ミサイルの陸上転用型を配備する事例が増えてきた。リーチをものすごく長くした沿岸砲台みたいなものだ。
対水上の警戒監視
業界用語でいうところのチョーク・ポイント、つまり「仮想敵国がシーパワーを外洋に押し出そうとしたときに、必ず通らなければならない海域あるいは海峡」を扼する位置が自国の領内にあれば、そこで仮想敵国の艦隊行動を掣肘できると期待できる。平時には、そこを通航する仮想敵国の艦船を監視する。
すると、対水上の警戒監視手段が必要になる。もちろん、見張員がいて双眼鏡や望遠鏡で見張るのは基本だが、見張員が持つセンサーすなわちMk.1アイボールは、夜間や悪天候下では使えない。
すると、チョーク・ポイントを見張るために監視所を設置する際には、対水上レーダーも併設したい。基本的には艦載用の対水上レーダーと同じであり、土台が揺れたり動いたりしない分だけ条件がいい。なにも今に始まった話ではなく、第二次世界大戦中にも、イギリス軍は英国海峡やドーバー海峡を行き来する艦船の動向をレーダーで見張っていたという。
ただし対水上となると、レーダーでカバーできる範囲は水平線までとなるから、できるだけアンテナを高い位置に設置したいと。しかし実際問題としては、なかなかそうも行かないかもしれない。地形や用地の確保が問題になるからだ。
平時は警戒監視だけで済むが、有事となれば敵国の艦船が通航しないように、物理的に阻止しなければならない。すると対艦ミサイルが不可欠となる。
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