時短になるので洗濯機は「お急ぎコース」ばかり使用しているのですが、何か良くない点ってありますか?
2025年3月14日(金)21時10分 All About
便利な洗濯機の「お急ぎコース」。頻繁に使っている場合、何かデメリットはあるのでしょうか。「All About」ガイドで、企業の製品開発のお手伝いやPR支援なども行うコヤマタカヒロが解説します。
「All About」ガイドで、企業の製品開発のお手伝いやPR支援なども行うコヤマタカヒロが解説します。
(今回の質問)
時短になるので「お急ぎコース」をよく使用しているのですが、何か良くない点ってありますか?
(回答)
少量の衣類を緊急で洗いたいときに便利ですが、衣類に汚れやダメージが蓄積することがあるため、常用はおすすめできません。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
通常コースとお急ぎコース、何が違う?
一部の洗濯機には時短で洗濯ができる「お急ぎコース」や「スピードコース」、「10分洗濯コース」などが搭載されており、うまく活用することで洗濯にかかる時間を短縮してくれます。例えば、日曜日の夜に子どもの体操服や給食着などが出てきた場合や、明日着る服がない、といった緊急事態に対応できるのです。「お急ぎコース」と通常コースの一番の違いは、多くの場合、すすぎの回数が少ないことです。通常はすすぎ行程を2回行って、しっかりと洗剤を洗い流すのに対して、「お急ぎコース」では1回しか行いません。また、洗濯の時間も短くなるため、洗濯できる衣類の量も大幅に減ります。
例えばシャープの縦型洗濯乾燥機「ES-PW11J」は、標準モードでは最大11kgの洗濯ができますが、「10分洗濯コース」では洗濯量は1.5kgになります。
衣類に汚れが残る可能性も
「お急ぎ」コースばかりを使うデメリットとしては、汚れ落ちの悪さや、洗剤がしっかり落とせずに衣類に残る可能性、そして洗濯の回数が増えることで、水道光熱費の上昇、洗濯機本体の劣化が早まることなどが考えられます。基本的には汚れが少ない衣類や少量の衣類を急いで洗いたいというイレギュラーなときに使うコースです。「お急ぎ」コースばかりを使っていると、取りきれなかった汚れが蓄積して、衣類が黄ばんだり黒ずんだりすることがあります。また、衣類に付着した雑菌が完全に洗い落とせなかった場合、ニオイの原因になることも。汗や皮脂が付着する肌着やシャツ類はしっかりと洗うのがおすすめです。
洗濯機に搭載されているさまざまなコースは、用途や衣類、汚れ、そして使用シーンに合わせて最適に使い分けましょう。
この記事の筆者:コヤマ タカヒロ
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
(文:コヤマ タカヒロ)