1万円台で購入できる耳をふさがないイヤフォン「HUAWEI FreeArc」を試す 音質や音漏れ、装着感は?
2025年4月14日(月)16時30分 ITmedia Mobile
HUAWEIのオープンイヤーイヤフォン「FreeArc」
しかし、その価格を見ると「廉価版なのではないか」という疑問も出てきますが、実際のところの装着感や音質、音漏れなどはどうでしょうか。実機をしばらく試す機会を得られたので、その感想をお届けします。
●耳掛け式のオープンイヤーイヤフォン
あらためて、HUAWEI FreeArcは耳掛け式のオープンイヤーイヤフォンです。そのスタイルはShokzのOpenFitシリーズによく似ています。耳に引っ掛けているだけではなく、3点で支える「ゴールデントライアングルデザイン」で、フィット感はかなり高めです。HUAWEIによると、1万件以上の耳介データを分析し、多くの人にフィットするデザインになっているとのこと。
表面は、さらさらとした手触りの液状シリコーンで覆われており、肌触りは良好、フレームにはニッケルチタン形状記憶合金製で、柔軟性も十分です。
なお、装着感は良好ですが、着けているのを忘れるという感じではなく、何かを装着しているという感覚は強めです。その分、簡単に外れてしまうようなことはなく、激しい運動でも安心して使えそうです。ただ、通常時はそれほど感じませんが、耳の裏側にくる部分が厚めなので、首を左右に振った際に若干違和感というか、窮屈感を感じました。
バッテリーは、1回のフル充電で最大7時間の連続再生が可能です。充電ケースを併用すると最大28時間となり、約10分の充電で最大3時間の再生が可能な急速充電にも対応しています。
●オープンイヤーとして十分な音質
音質面で言えば、約17×12mmの高感度ダイナミックドライバーユニットを搭載しています。オープンイヤーイヤフォンは低音が弱くなりがちなのですが、そんなことを全く感じさせない力強い低音を聞かせてくれます。
中高音もクリアで十分に満足のいく音質です。イヤフォンで聴いているというより、耳のすぐ横にスピーカーを置いているような解放感があります。
その反面、オープインイヤーゆえに周囲の音もそのまま聞こえてきます。静かな環境であれば気になりませんが、ちょっと騒がしい場所で音楽に没入したり、ANC(アクティブノイズキャンセル)イヤフォンのように騒音をシャットアウトして集中したりするのには向いていません。
対応コーデックはSBCとAACです。aptXなどの高音質コーデックには対応していませんが、音楽をじっくり聴くという用途には向かないので問題はないでしょう。スマホアプリの「AI Life」でイコライザの設定も可能です。「Default」「Elevate」「Treble boost」「Voice」の4つのプリセットの他、独自に設定も可能となっています。
●ジェスチャー操作に対応
HUAWEI FreeArcは、イヤフォン表面に触れてのタップやスワイプによるジェスチャー操作に対応しています。1回のタップで曲の再生/停止や着信の応答/終話、トリプルタップで曲送り/曲戻し、プレス&ホールドで音声アシスタントの起動、スワイプでボリューム操作が可能です。
ダブルタップは設定されていないのですが、おそらくはプレス&ホールドとの誤操作を防ぐためと考えられます。これらの操作はAI Lifeから変更も可能です。
この手のジェスチャー操作、特にスワイプ操作はイヤフォンによっては反応が悪く、実質的には利用できないというものも少なくありません。この点、FreeArcはイヤフォン部分の面積が広いこともあり、スワイプの操作性は良好です。
ただ、私の操作がおかしいのかもしれませんが、シングルタップの認識が非常に悪いです。なぜかトリプルタップは問題なく認識するのですが、シングルタップは5回に1回くらいしか認識しませんでした。
●気になる音漏れは?
オープンイヤーで気になる音漏れについては、ユーザーが聞く音と逆位相の音波を外向きに配置された2つスピーカーから出すことで、音漏れを打ち消す「逆音波システム」を搭載しています。
常識的な音量で聴いている限りは、肩が触れ合う距離でもほぼ分かりません。要するにANCの逆バージョンなのですが、試しに外向きのスピーカーを塞いでみると、はっきりと音漏れするので相当に効果は高いようです。
ただ音漏れ防止の効果が高いとはいえ、音量を大きくすると音漏れはします。周囲の音がそのまま聞こえるオープンイヤーだけに、騒がしい場所では音量を上げ気味にしてしまいますが、そうなると音漏れも大きくなるので、人混みなどでの使用には向いていません。
●運動時や普段使いのながら聞きにはピッタリ
簡単に外れてしまうようなことはないので、ランニングやウオーキングなどの運動時に使うのには最適でしょう。周囲の音も聞こえるので、安心感もあります。また、日常的に装着して、仕事や家事の最中にBGMのように音楽を流し続けるながら聞きにもピッタリです。自宅なら、イヤフォンのせいで宅配便が来たのに気が付けなかったなんてこともありません。
オープンイヤーイヤフォンは、使ってみないと感覚が分からないことも多いです。1万円台で購入できるHUAWEI FreeArcは、性能的にも申し分ないですし、オープンイヤーの入門機としてもお勧めできる1台です。
(製品協力:ファーウェイ・ジャパン)