日本ガイシと三菱重工、アンモニア由来の水素精製システムを共同開発へ

2024年4月19日(金)9時32分 マイナビニュース

日本ガイシと三菱重工業は4月18日、水素・アンモニアサプライチェーンの導入と大量輸送の本格化を見据え、アンモニア分解ガスからの膜分離水素精製システムの共同開発を実施することを発表した。
日本ガイシ・NGKグループは、カーボンニュートラル実現に寄与するため、4つの戦略からなる「カーボンニュートラル戦略ロードマップ」を策定し、水素・CCU/CCS(CO2の回収・利用・貯蔵)関連技術や製品の開発・提供を推進しているとのこと。同社独自のセラミック技術をコアに、従来は困難とされるものを実現し、社会に実装されるところまで手掛けていくことにより、持続可能な社会の実現への貢献を目指しているという。
一方で三菱重工グループは、2040年のカーボンニュートラル達成に向け、エネルギー供給側で脱炭素化を目指す「エナジートランジション」に戦略的に取り組んでいるといい、現在開発中のアンモニア分解システムに加え、アンモニア分解ガスからの膜分離水素精製システムの開発と事業化を推進することで、脱炭素技術の早期確立・社会実装を図るとともに、持続可能なカーボンニュートラル社会の実現に貢献していくとする。
アンモニアは、燃焼してもCO2を排出しない水素を安全かつ大量に長距離輸送・貯蔵することが可能な水素キャリアの1つとして注目されており、日本の「燃料アンモニアサプライチェーンの構築」プロジェクトをはじめ、欧州などの国内外においてサプライチェーン構築が計画されるなど、今後の市場伸長が期待されている。
今回の共同開発では、アンモニアを分解する際に生成される水素と窒素の混合ガスから、膜分離方式によって水素を精製する最適なシステムの構築を目指すとする。その中で三菱重工は、アンモニア製造プラントをはじめとした国内外における多数の化学プラント納入実績や、これまで培ったアンモニアおよび水素のハンドリング技術に関する知見を活用するとのこと。対して日本ガイシは、化学プロセスや浄水分野で培った固液分離膜技術と独自の成膜技術に基づき、分離制度と耐久性に優れた世界最大級のセラミック膜に関する深い知見を活かすという。
両社によると、精製された水素はクリーンな原料・燃料として利用できることから、新システムの早期実用化を目指して共同で開発を推進するとしている。

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