OpenAIが日本法人を設立 日本語に最適化したGPT-4カスタムで3倍速く/Microsoft Edgeの更新で「Microsoft Copilot」アプリが導入される不具合

2024年4月21日(日)6時5分 ITmedia PC USER

OpenAIが日本法人を設立した。日本語に最適化されたGPT-4のカスタムモデルも公開している

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 うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる——そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、4月14日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!
●OpenAIが日本法人を設立 日本語に最適化したGPT-4カスタムで3倍速く
 米OpenAIは4月15日(日本時間)、日本法人「OpenAI Japan」を開設したと発表した。同社がアジアに拠点を設置するのは初となる。
 日本法人の開設にあわせて、日本語に最適化したGPT-4のカスタムモデルも公開した。日本語文章の翻訳と要約のパフォーマンスおよびコスト効率が向上し、前モデルと比較すると最大3倍に処理速度が高速化した。
 この技術を活用したAI英会話アプリ「Speak」は、ユーザーが間違えた問題に対するチューター(指導者)の回答が2.8倍も高速化する。トークン数が減って効率化されたことで、コストも47%削減されたという。
 この日本語カスタムモデルは、数カ月以内にAPIでリリース予定としている。
●Microsoft Edgeの更新で「Microsoft Copilot」アプリが導入される不具合
 米Microsoftは4月16日(現地時間)、Edgeブラウザを3月28日にリリースしたバージョン123.0.2420.65以降に更新すると、「Microsoft chat provider」という新しいパッケージ(MSIX)が誤ってインストールされる場合があると明らかにした。
 これによって「Microsoft Copilot」アプリが、「設定」メニューの「インストールされているアプリ」に表示されることがある。
 Microsoft chat provider自体は、コードやプロセスを実行することはなく、いかなる形でもデバイスや環境のデータを取得/分析/送信しないとしている。
 加えて、将来的にWindows Copilotを有効化するのに備えて一部のWindowsデバイスにインストールされるものであり、全てのデバイスを対象にしたものではないとも説明している。
 影響を受けるプラットフォームは、Windows 11 23H2/22H2/21H2、Windows 22H2、Windows Server 2022となる。
 Microsoftは解決に取り組んでおり、Edgeブラウザの次のリリースで更新プログラムを提供する。最終的に、Microsoft Copilotが有効化またはインストールされていないデバイスからは、Microsoft chat providerが削除されるという。
●Windows 11の「フォト」アプリに「Microsoft Designer」統合
 米Microsoftは4月16日(現地時間)、Windows 11のフォトアプリに画像生成AI「Microsoft Designer」を統合すると発表した。現在、Windows InsiderのCanaryおよびDevチャネルで展開を始めている。ただし、利用できるのは米国/英国/オーストラリア/アイルランド/インド/ニュージーランドのユーザーのみとなる。
 統合と言っても、フォトアプリ上でDesignerを使えるわけではなく、フォトアプリで表示中の画像をMicrosoft Dedignerへ送信し、加工自体はWebブラウザで行う。
 これによってテンプレートを適用したり、画像を追加したりといったことが簡単に行える。例えば、被写体の背景を削除し、生成AIにより新しい背景を生成するといったことも可能だ。
●画像生成AI「Stable Diffusion 3」のAPIが一般公開
 英Stable AIは4月17日(現地時間)、画像生成AI「Stable Diffusion 3」のAPIを一般公開した。これにより、「Stable Diffusion 3」と「Stable Diffusion 3 Turbo」が「Stability AI Developer Platform API」で利用できるようになった。
 Stable Diffusion 3は、タイポグラフィやプロンプトにおいて、競合の「DALL-E」や「Midjourney v6」と同等か上回る性能を持つとの研究論文も発表されている。画像表現と言語表現に別々の重みセットを使用しており、旧バージョンと比較した場合、テキストの理解やスペリング能力が向上しているという。
 これらのモデルは現在、API経由で利用できるが、同社はFireworks AIと提携してStable Diffusion 3およびStable Diffusion 3 Turboを提供することで、99.9%のサービス可用性を保証するエンタープライズグレードのAPIソリューションとして提供できるとしている。
 さらにStable AIメンバーシップのユーザー向けに、セルフホスティングできるようにすることを目指しているとのことだ。
●「Geekbench 6.3」公開 ArmのSME命令に対応
 カナダPrimate Labsは4月11日(現地時間)、人気のクロスプラットフォームベンチマークソフトの最新版「Geekbench 6.3」をリリースした。
 最新版の主な変更点は、Arm系のScalable Matrix Extensions(SME)命令に対応したことだ。SMEは行列計算を多用するワークロードのパフォーマンスを大幅に向上させることを目的としたもので、AIや機械学習の推論処理の高速化に貢献する。SME命令のないシステムの場合、Geekbench 6.3のベンチマークスコアはGeekbench 6.1および6.2と同等だが、SME命令を備えたシステムでは、以前のバージョンよりも高いスコアになるという。
 この他、Androidデバイスで実行された「Horizon Detection」の結果が実行ごとに大きくばらつく問題を修正している。OpenCLOn12の不具合により、Core Ultraプロセッサ(開発コード名:Meteor Lake)搭載ノートPCでGeekbenchが起動時にクラッシュする問題を受け、根本的な問題が修正されるまではOpenCLOn12のサポートが無効化される。
●Samsungが最大10.7Gbpsの新型LPDDR5X DRAMを発表
 韓国Samsung Electronicsは4月17日(現地時間)、業界初の最大10.7GbpsのLPDDR5X DRAMを発表した。2024年下半期に量産を開始する。
 Samsungの10.7Gbps LPDDR5Xは、前世代と比較してパフォーマンスが25%以上、容量は30%以上も向上するだけでなく、モバイルDRAMの単一パッケージ容量を32GBまで拡張できるという。また、電力効率も25%向上しており、モバイルデバイスのバッテリー寿命が長くなる他、サーバのデータ処理時のエネルギー使用量を削減して、総所有コスト(TCO)を最小限に抑えられるという。
 「低電力、高性能メモリの需要が高まるにつれ、LPDDR DRAMは、主にモバイルから、PC/アクセラレータ/サーバ/自動車など、従来より高い性能と信頼性が必要とされる他の分野にその用途が拡大すると予想される」とSamsung Electronicsのペ・ヨンチョル氏(メモリ事業部門 メモリ製品企画担当 執行副社長)は述べている。

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