Micronが232層QLC NAND採用の「Micron 2500 SSD」のサンプル出荷を開始 コスパと性能の両立を重視
2024年4月26日(金)12時20分 ITmedia PC USER
4月25日(日本時間)、本製品のAPAC(アジア太平洋地域)向け説明会が開催されたので、その資料を交えつつ本製品の概要を解説する。
●Micron 2500 SSDの概要
先述の通り、Micron 2500 SSDは世界で初めて200層超のQLC NANDを採用するクライアント向けSSDとなる。実装密度は176層QLC NAND(従来製品)比で30%、232層TLC NAND比で31%向上している。
入出力速度は毎秒最大2700MTで、従来製品比で読み出しは最大24%、書き込みは最大32%の速度改善が図れたという。
本製品は「日常使いにおけるパフォーマンスと電力効率」を優先しつつ、「QLCの価値(コストパフォーマンス)とTLCのパフォーマンスの両立」を目指して開発されたという。主なスペックは以下の通りだ。
・NANDチップ:232層QLC(第4世代)
・バッファ用DRAM:なし
・HMB(Host Memory Buffer)で代用
接続インタフェース:PCI Express 4.0 x4(NVMe規格)
読み書き性能(最大値)
・連続書き込み:毎秒6600MB(512GBモデル)または7100MB(1TB/2TBモデル)
・連続読み出し:毎秒3650MB(512GBモデル)/毎秒5800MB(1TBモデル)/毎秒6000MB(2TBモデル)
耐久性:200TBW(512GBモデル)/300TBW(1TBモデル)/600TBW(2TBモデル)
OPAL(自己暗号化):対応
消費電力:2.5mW未満(スリープ時)/150mW未満(アイドル時)/6300mW未満(Type 2280)
Micronが独自に実施した「PCMark 10」によるストレージテストの結果や公称値ベースでの性能を見てみると、QLCを採用する競合製品はもちろん、TLCを採用する競合製品に勝るとも劣らない性能を発揮できていることが分かる。ただし、本製品はDRAMレスでクライアント(PC)のメインメモリの一部をキャッシュとして利用するため、性能を遺憾なく発揮するにはクライアントのCPUやメモリにも一定水準の性能が求められることになる。