Adobe、AI技術で進化したAdobe Creative Cloudの新機能を発表
2025年4月26日(土)9時0分 マイナビニュース
米Adobeは4月24日、英国ロンドンで開催された「Adobe MAX London」において、Adobe Creative Cloudの新機能を発表した。Illustrator、Photoshop、InDesign、Lightroom、Expressなどの主要アプリケーションにおいて、AIを活用した生産性向上やパフォーマンス強化が実現され、クリエイターの作業をさらに効率的にサポートするようになった。
○Adobe Illustrator
Adobe Illustratorには、「Firefly」を活用した新機能がいくつか導入された。「Generative Shape Fill」機能により、ユーザーは指定した領域にAIが自動的にデザインを補完することが可能となった。
「Text to Pattern」機能では、テキストをパターンとして自動的に変換でき、デザインのアイデアを即座に視覚化できるようになった。さらに、メニュー操作やエフェクトの処理速度が最大5倍向上し、大規模なプロジェクトでもスムーズに作業を進められるようになった。
○Adobe Photoshop
Adobe Photoshopでは、オブジェクト選択ツールの精度向上により、髪の毛や衣服、顔の特徴などの複雑なディテールを迅速かつ正確に選択できるようになった。さらに、「カラーを調整」機能では、画像内で最も目立つカラーを自動的に識別し、キャンバス上で直接カラーを変更できるコントロールが提供され、カラー編集のワークフローが効率化されている。
Adobe Photoshop(ベータ版)の「アクションパネル」も改良され、ユーザーの作業スタイルを学習して最適な編集手順を提案するなど、AIによるサポートが強化されている。
○Adobe Express
Adobe Expressでは、Webデザインやソーシャルメディアコンテンツを手軽に作成できる新機能が追加された。「Design Automation」機能が強化され、AIが自動でテンプレートをカスタマイズし、プロフェッショナルなデザインを迅速に作成できる。さらに、豊富なテンプレートと自動レイアウト調整により、ユーザーは最適化されたデザインを簡単に完成させることが可能。また、インタラクティブな要素の追加やチームでの共同作業が簡単になり、作業効率が向上する。デザインは多様な形式でエクスポートでき、オンラインや印刷用にも対応している。
○Adobe InDesign
Adobe InDesignでは、PDFからInDesignドキュメントへの変換機能が追加された。これにより、他のソースからインポートしたPDFコンテンツを編集可能な状態に変換でき、既存の資料やテンプレートを再利用する際の手間が省ける。また、学術論文や技術文書の作成に役立つ「Math Expressions」機能が追加され、複雑な数式をInDesignドキュメント内に直接配置できるようになり、数式のフォーマットやレイアウト調整が簡単に行えるようになった。
○Adobe Lightroom
Adobe Lightroomでは、新たに導入された「Select Landscape」機能により、風景写真を撮影した際に自動的に水面、植物、空などの要素を検出し、マスクを作成することが可能となった。これにより、風景写真の編集時に細かい部分の調整が容易になった。さらに、Adobe Lightroom MobileおよびWeb版でも新たな共有機能が追加され、写真の共有がより簡単になった。