暖房を24時間つけっぱなしにしています。エアコンの「寿命」に悪影響はあるでしょうか? 【家電のプロが解説】
2024年12月30日(月)20時15分 All About
暖房を24時間つけっぱなしにしてしまうと、エアコンの「寿命」にどのような影響があるのでしょうか。「All About」ガイドで、企業の製品開発のお手伝いやPR支援なども行うコヤマタカヒロが回答します。
「All About」ガイドで、企業の製品開発のお手伝いやPR支援なども行うコヤマタカヒロが解説します。
(今回の質問)
寒いので、24時間暖房をつけっぱなしにしたいです。エアコンの寿命の面で悪影響はあるでしょうか?
(回答)
暖房運転はエアコンへの負荷が大きいです。つけっぱなしはエアコンの寿命を短くする場合があります。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
故障リスクが高くなります
冷房運転の場合、外気温35℃・設定温度26℃ならば温度差が9℃なのに対し、暖房の場合は外気温5℃・設定温度22℃の場合でも17℃の熱交換を行うため、倍のパワーを使います。暖房運転は消費電力がそれだけ大きく、負荷も高いということです。一般的にエアコンの寿命は約10年と言われていますが、つけっぱなし運転をすると大きな負荷がかかり、コンプレッサーやモーターなどが故障するリスクは高くなります。また、つけっぱなし運転だと、メンテナンス機能が働かないという問題もあります。通常、エアコンは運転終了時にフィルターを掃除したり、熱交換機の汚れを除去したりといったメンテナンス機能が働きます。つけっぱなし運転ではこれらの機能が働かなくなるため、内部に汚れがたまりやすいというわけです。つけっぱなしにする場合でも1日1回は電源をオフにして、メンテナンス機能が働くようにしましょう。
こまめに消した方が電気代もお得
また、電気代という観点からみても、つけっぱなし運転をするのはお得とはいえません。パナソニックが「30分の外出を1日2回、1カ月間行った際のエアコン稼働における電気代の差異」を調査したところ、外気温が3℃以上ならつけっぱなしよりも外出のたびにこまめに消した方が安かったとのこと。平均的な冬の気温を考えれば、大概の場合はつけっぱなし運転の方が電気代が上がってしまうといえそうです。
このように、寿命と電気代の観点から、暖房をつけっぱなしにすることは推奨しづらいです。きちんと本体のメンテナンスを行うほか、適温での使用・室外機の清掃などにも気を配り、丁寧に利用することをおすすめします。
この記事の筆者:コヤマ タカヒロ
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
(文:コヤマ タカヒロ)