「昔の名前ではダメ」巨人・原監督が坂本の「衰え」を指摘 突きつけた「最後通告」とは
(C)Getty Images
2022シーズンを4位と5年ぶりのBクラスに沈んだ巨人。投打ともにほころびが目立ったシーズンを原監督はどう見ていたのか。
第二次政権でヘッドコーチも務め、腹心とされたOBの岡崎郁氏のYouTubeチャンネル「アスリートアカデミア」に出演、悔しかったシーズンを赤裸々に振り返った。
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27日に更新された「2022巨人軍総括 坂本勇人の処遇」と題された動画内で原監督は今シーズンを振り返って「今までの監督(人生)の中で1番悔しいね、1番(チームが)弱いね」とキッパリ。ここまで通算16年を務めた監督人生の中で、ここまで悔しさを覚えたシーズンはなかったという。
今季は「若手の育成と勝利」という2大命題を託され、スタートした。開幕当初こそ若手投手陣に白星がつくなど順調な滑り出しとなったが、5月あたりから暗雲が漂ってきた。誤算は中堅、ベテラン勢にあった。起用した若手が年間通してのパフォーマンスが見込めないことは想定内だったが、シーズン終盤、最後の追い上げでチームを支えることを期待した中堅以上の選手たちが思ったように機能しなかったことが響いたというのだ。
大きな誤算の一つはキャプテン・坂本勇人内野手(33)の度重なる故障にもあった。
開幕前に脇腹を痛めたことを含めれば、3度の故障離脱。これには首脳陣も頭を抱えたという。
中でも4月30日の阪神戦(東京ドーム)では、7回の守備中に遊ゴロを処理した際に負傷。このプレーで坂本は右膝内側側副靱帯損傷と診断され抹消、復帰までに1か月を要した。
原監督は遊撃手としてのルーティンの動きの中で負傷したことを疑問視。その後も7月には腰痛を理由にシーズン3度目の抹消となった。「出るからには長く出てもらいたいしね」と度重なる故障が続いたシーズンに厳しく目を向けた。
来季34歳シーズンを迎える坂本にはコンバートの噂もつきまとう。今季離脱した際には早期復帰を目的にファーストコンバートを提示した原監督も、本人が遊撃ポジションへのこだわりを強く示したという。
「本人はショートで始まり、ショートで戦い抜くというのが理想だと思っている」と理解を示しつつ、「だったら何が足りないか分っているだろうから、必死にやろう」と坂本本人に語りかけたという。
さらに原監督は、坂本がポジションを守り抜くための条件を付け加えるのも忘れなかった。
「勝負の世界って、歌にもありますけど、昔の名前ではね、ダメなのよ。野球、アスリートというのは、やや下降線をたどっているような選手たちはやらないといかんよね」とこれまで以上の奮起を求めた。
坂本といえば球界屈指のショートストップ、守備力で知られ、昨夏の侍ジャパンでも主力メンバーとして金メダルに貢献するなど、「巨人の坂本」として確固たる地位を築いた。
一方で今季の「衰え」は顕著だった。4月のプレー中の負傷に加え、その後も腰痛を発症し離脱などチームの足を引っ張ったことで、指揮官も本人にもう1度輝きを取り戻してもらいたいと願っている。
原監督と坂本といえば、2007年のナゴヤドームでの出来事が知られている。し烈な優勝争いを繰り広げたシーズンで迎えた9月6日の中日戦。1−1の同点で迎えた延長12回二死満塁。この場面で原監督が代打として起用したのが、ドラ1ルーキーの坂本だった。坂本は左腕、高橋聡文からセンターへしぶとくポテンヒットを放ち、勝利に貢献。これが坂本のプロ初安打となり、その後のサクセスストーリーにつながっていく。
まさにプロ人生の道筋をつけたのは原監督といっても過言ではない。その師匠から突きつけられた「最後通告」をどう受け止めるか。当然、本人もこのまましぼんでいく気持ちもないだろう。V奪回のキーマン、背番号6の巻返しに期待したい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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