「韓国への幻想は死あるのみ」金正恩が洗脳教育を開始
北朝鮮の朝鮮労働党は「南朝鮮(韓国)に対する幻想を抱けば死あるのみ」という内容の金正恩総書記の方針を、各地の党幹部に徹底しているもようだ。
咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、羅先(ラソン)市の党委員会は4日、道党委員会から「南朝鮮はわれわれと政治思想的に、軍事的に対峙している敵対国であり、同族の国であるとの幻想は死をもたらす」という内容の金正恩氏の方針指示文を伝達された。
市党は道党の指示に従い、初級党書記以上の党幹部を対象に、この方針を徹底する政治学習を行っているという。
消息筋は「方針指示文では終始、南朝鮮を『南朝鮮の連中』と呼び、南朝鮮を同族と考え同情したり、南朝鮮の資本主義経済体制や自由主義思想などに憧れたりする行為を絶対に容認してはならないという思想が核心になっている」と伝えた。
特に新年に入り、韓国の体制・思想・文化などを宣伝する映画やドラマ、ニュースなど、あらゆる情報を視聴・流布したり隠蔽したりすれば、理由を問わず厳しく処罰するとの内容が強調されているという。
また、そのために司法機関が思想教養事業を強化し、住民の中で現れうる動揺など備え、いつにも増して取り締まりと統制を強化しなければならないという点も強調されている。
さらに、方針指示文では「愛国的な南朝鮮人民の反米、反大統領闘争などにより南朝鮮の内部情勢は危機的な状況にある」とし、「南朝鮮人民のデモが突然、内部抗争につながりかねない状況なので、私たちはそれに備えて万全の準備態勢を整えなければならない」という内容も盛り込まれたという。
さらには「いったん有事には一気に南朝鮮の愛国的民衆と合流して南朝鮮を平定し、領土完正(南北統一)を成し遂げなければならないという信念をもって働き生活しなければならず、これが思想戦線の主打撃方向となる」との内容も、今回の方針指示文に盛り込まれたという。
情報筋「羅先市は中国、ロシアと国境を接しており、住民は南朝鮮の文化に接しやすい環境にある。それだけに市党委員会は、『党の対南政策の流れに逆らえば敵と同調する勢力とみなし、断固として法的に対応する』と強調している」と話した。
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