デリバリー遅れも関係なし。LMP2を“蹴って”マクラーレン陣営入りしたジャービスの確信/デイトナ24時間
オリバー・ジャービスは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦のデイトナ24時間レースに向けて新車のマクラーレン720S GT3 Evoを急いで強化していくなかで、パフ・モータースポーツにタイトル獲得の資質が見えたと語っている。
ジャービスはマクラーレンのファクトリードライバーであるマービン・カークホファーとペアを組み、ウェザーテック選手権へのフル参戦を果たす。耐久レースではジェームズ・ヒンチクリフ、デイトナではアレクサンダー・ロッシも加わる強力布陣だ。
ジャービスにとっては、2022年にメイヤー・シャンク・レーシングでDPiタイトルを獲得して以来となるフル参戦であり、同時にこれは現在は廃止されているベントレーのGT3プログラムに2020年に参加して以来の、GTカーへの復帰も意味している。
パフが2021年にGTDカテゴリーでタイトルを獲得し、翌年にはGTDプロでもその偉業を再現したのを知ったとき、マクラーレンが支援するこのプログラムに参加することを確信したとジャービスは述べている。なお、過去のパフの栄光はすべてポルシェのマシンによるものだ。
「僕はLMP2でいくつかの選択肢を持っていた。だけど、マクラーレンから興味があるかと誘われたとき、誰がクルマを走らせているかを聞いて『間違いない』と答えたんだ」とジャービスはチーム加入の真相を語った。
「僕はとても迅速に決断を下した。フル・プロのラインアップ、2度のチャンピオンシップ獲得チームなんだ。彼らは12月中旬まで、マシンを手に入れられなかったけど、信じられないほどの仕事をしてくれたよ」
「だけど昨年でさえ、(同じくマクラーレンユーザーの)インセプション・レーシングが速かったのを僕らは見ていたので、それは変わらないと思いたいところだよね。信頼性があり、トラブルに巻き込まれず、最後までコース上にいられることを願っている」
■予選6番手は「まったく悪くない」
パフがマシンのデリバリーを受けることができなかったため、ジャービスは12月上旬のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでのIMSA公認テストで720S GT3 Evoを運転することができなかった。しかし、年末にポルトガル・エストリルでの雨の影響を受けたプライベートテストで、テストカーを試乗することはできたという。
一部のライバルと比較して、GT3の世界でマクラーレンが相対的な成功を収めていないことについて、彼はこう付け加えた。
「マクラーレンはフルワークスプログラムを持つ一部のマニュファクチャラーとは異なるやり方で取り組んできたが、パフは素晴らしいチームだ」
「(チームに合流して)しばらく時間が経つと、パフがどれほどプロフェッショナルであるか、そしてなぜ彼らが過去3年間でふたつのタイトルを獲得したのかが分かったよ」
ジャービスは1月21日の公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』の最終日、9号車マクラーレン720S GT3 Evoの予選を任され、GTDプロクラスの6番手タイムを記録した。
「もちろん、もう少し上位にいきたかったが、(ケリーモス・ウィズ・ライリーのポルシェのクラッシュの後)短縮されたセッションでの予選のやり方で、タイムを記録するのに、実際のところは1周しか残されていなかったんだ」と彼は語った。
「だから、24時間レースに向けて、スタート地点としてはまったく悪くないよ」
「僕らには良いクルマがあるし、自分自身も含めて毎回のセッションで学んでいる。すべてのセッションで前向きな一歩を踏み出してきたので、週末に向けて正しい方向に向かっている」
一方、パフのチームマネージャー、スティーブ・ボルトロッティは、新しいGT3パートナーであるマクラーレンとの初のデイトナ24時間における主な目標は、720S GT3 Evoでの経験を積むために「最後までやり遂げることだ」と述べた。
「我々は少し劣勢からスタートしている」とボルトロッティは言う。
「正直に言うと、出走して、クリーンなレースができれば良いと思う」
「我々のクルマの走行距離はそれほど多くないけど、ライバルのクルマの一部はテストでの走行距離が長いため、そのことが我々に有利に働く可能性もある。クリーンなレースができて、何かしらを得られれば満足だ」
「目標は、24時間走り続けてクリーンなレースをして、(マクラーレンとの)関係を(強める)スタートにすることだ。たとえ24時間のテストとなったとしても、それは価値のあるものになるだろう」
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