2019年F1技術レギュレーション解説(3) 整流効果の役割を失い単純化されるブレーキダクト
2019年シーズンに向けて、F1の空力レギュレーションにはいくつかの変更が加えられた。今回はリヤウイングとブレーキダクト、そしてタイヤの呼称についてをまとめていく。
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6)より高く、広くなったリヤウイング
リヤウイングは2018年より7cm高く、10cm幅広になった。その最大の狙いは、リヤウイングが発生する乱流をできるだけ左右、あるいは上方に飛ばし、背後のマシンがより近づきやすいようにする措置である。
7)ブレーキダクトの単純化
2018年までの空力エンジニアたちは前輪のブレーキダクトに対して、ブレーキディスクの冷却という本来の役割と同等かあるいはそれ以上に、整流効果を追求してきた。
しかし2019年シーズンからは、それも不可能になった。ダクト形状を自由に設計できなくなったのである。ダクトはより扁平で単純な形状が求められ、ミニウイングやデフレクターの装着も禁止された。さたのタイヤ前方まで、はみ出すことも許されない。
さらに昨年、メルセデスが採用して物議を醸した、中空スポークも禁止となった。乱流を左右に吐き出すことが目的だったわけだが、後方のマシンに少なからず影響を及ぼしていた。一方で後輪のブレーキダクトに関しては、それらの制限は加えられない。
8)タイヤの呼称変化、そしてそれ以上に大きな変更
ドライタイヤ5種類のうち、各グランプリに3種類を投入するのは去年と同様だ。ただし今年からは、すべてのレースでハードタイヤ、ミディアムタイヤ、ソフトタイヤと呼び方が統一され、それぞれホワイト、イエロー、レッドカラーがショルダーに塗装される。とはいえ各GPのコース特性によって、違うコンパウンドのタイヤになっていることはいうまでもない。
一方でタイヤそのものの変化としては、トレッドが約0.4mm薄くなる。同仕様のタイヤはすでに、昨年のスペイン、フランス、イギリスで投入されている。
タイヤ内部のオーバーヒートや、それに起因するブリスターを防ぐためである。ドライバーにとっては、スティント初期に必要以上にタイヤをいたわる走りをする必要がなくなるというメリットもある。
ゴム量が減る分、理論上は摩耗が速くなる。さらにタイヤを最適温度域内に入れることも難しくなりそうだ。しかしそれに関しては、より保守的な構成のゴムにすることで対応するとしている。
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