井上尚弥を「殴ったら白目になる」と挑発も…“問題児”カシメロに母国記者は辛辣意見「悲しい現実だが、彼は最下位だ」
井上にふたたび挑発的なメッセージを寄せたカシメロ。しかし、その言動には母国メディアもシラケムードだ。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext、(C)Getty Images
世界に衝撃を与えた井上尚弥(大橋)のルイス・ネリ(メキシコ)撃破に、何かとボクシング界を騒がせる“問題児”も黙っていなかった。
元世界3階級制覇王者のジョンリル・カシメロ(フィリピン)は、5月6日に東京ドームで行われた井上とネリによるボクシングの世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチを観戦する模様を自身のSNSで公開。両雄の一挙手一投足にエキサイトする姿が話題となっている。
【動画】悪童ネリに逆襲の右ストレート!井上尚弥がドームを熱狂させた貫禄のTKOの瞬間
試合はまさに劇的だった。初回に井上が近接戦で左フックを被弾。プロキャリア初ダウンを喫し、出鼻をくじかれるも、ここから挽回。2回と5回にカウンター気味に放った強烈な左フックでダウンを奪取。そして6回にネリをコーナーに追い詰めると、最後は右ストレートをドスンッ。「悪童」はたまらず腰から崩れ落ちた。
エキサイティングな展開にカシメロも大興奮。仲間内でテレビ観戦する様子を収めた動画では、「うわぁ!スゲェ!」とまるでファンのように狂喜乱舞した。この様子を紹介したフィリピン・メディア『FASTBREAK』は、「カシメロは、もしリング上で(井上と)対戦していたら結果は違っていただろうと主張している」とし、当人による「俺がイノウエを殴ったら、あいつは白目をむくだろう」という挑発的なコメントを紹介している。
井上とは以前から対戦を熱望してきたカシメロは、これまでも幾度となく“モンスターを挑発。時には「イノウエの亀野郎は逃げた」とまで罵り、波紋を呼んでいた。もっとも、両者の対戦はバンタム級時代の2020年4月に予定されるもコロナ禍で中止に。以降もカシメロの2度の規律違反による王座剥奪などで実現できずにいる。
すでにカシメロは35歳。井上は9月の次戦でIBF&WBO1位のサム・グッドマン(オーストラリア)との対戦が決定的。以降もWBA1位ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)も候補として控えているだけに、対戦する日が訪れる可能性は限りなく小さい。そもそも昨年10月以降、リングから遠のく“問題児”にチャンスが与えられる余地はない。
そんな苦境でもなお、井上を挑発し続けるカシメロには、母国内でも「うんざり」といった声が上がっている。フィリピン紙『Daily Tribune』のニック・ジョンコ記者は、カシメロのポテンシャルを「イノウエに対処するのに必要な資質を備えていた」と指摘。そのうえで、怠慢さが否めない現状を次のように嘆く。
「カシメロの立場はどうなっているか。これは悲しい現実だが、いまの彼はスーパーバンタム級で最下位だ。おそらくイノウエだけでなく、他の上位陣とも何マイルも離れている。業界内で非常に影響力のあるMPプロモーション(元世界8階級制覇王者マニー・パッキャオの大手興行社)との関係を絶って以来、世界的に無名な相手とばかり試合をしている。にもかかわらず、彼は試合でハァハァと息を切らし、スタミナ不足を露呈している。今の彼は急速に崩壊している」
ジョンコ記者から「イノウエとの試合以前にまともに試合をこなせるかどうか」とも断じられたカシメロ。そんなベテランを、「世界最強」とも評価を受けるモンスターが相手にするかどうかは、疑問を抱かざるを得ない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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