「ペダルのタッチが柔らかく、レースをするのは危険だった」角田は伸び代を見せるも走れず/ホンダ本橋CEインタビュー
前戦オランダGP終了時点で、全戦入賞したチームはアルファタウリ・ホンダだけだった。しかし今回のF1第14戦イタリアGPでは角田裕毅が1周も走れずにリタイア、ピエール・ガスリーもレース序盤で戦線を離脱し、連続入賞の記録は惜しくも途絶えてしまった。
ガスリーは今回も予選6番手と速さを見せていただけに、悔やまれるトラブルだった。一方の角田はトラックリミットを超えたことでタイムを抹消され、Q1落ちを喫した。しかし本橋正充チーフエンジニアは、「Q2に進めていたら、確実に順位を上げていた。それだけの伸び代が感じられた」と、順調な進歩を重ねていることを強調していた。
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──大変残念な結果になってしまいました。まずピエール・ガスリーのスプリント予選でのクラッシュですが、あの事故ではパワーユニットへのダメージはなかったのですか?
本橋正充チーフエンジニア(以下、本橋CE):事故直後のデータ、それからクルマが戻ってからも確認しましたが、異常は出ていません。このあとファクトリーに戻して改めて確認作業を行いますが、現時点では大丈夫と思っています。
──そうすると決勝レース前に4基目のパワーユニットを投入したのは、最終戦までのやりくり上の必要性から?
本橋CE:はい。いわゆる戦略上の交換です。モンツァはパワーサーキットですし、グリッド位置が後ろということを考慮して、交換を決断しました。
──車体側もかなりいろいろなパーツを交換して出ていきましたが、グリッドに向かうレコノサンスラップの時点で、ガスリーがいろいろな不具合を訴えていました。具体的にどんな症状が出ていたのですか?
本橋CE:スロットルペダルの操作にトルクがついていかないというような話でした。ただエンジンデータ上はそこまでの問題が出ておらず、車体上の問題の可能性も含めて、いろいろ調整を続けました。今はまだ原因不明で、これから調査です。
──周回の最後の方で、「よくなった」とガスリーが言っていました。そこで症状は収まったのでしょうか?
本橋CE:セッティングを変更して、改善傾向ではあったものの、完全に解消とまではいきませんでした。
──それでレーススタート後に症状が再発して、リタイアを決断した?
本橋CE:そうですね。
──珍しいトラブルですね。
本橋CE:ええ。初めてです。ホンダ側だけでなく、チームも含めての原因究明が必要だねということになっています(注:その後のアルファタウリの調査で、「車体側のパーツの接続不良のために、車体側とパワーユニット側の動力の伝達ができていなかった」ことが判明した)。
──角田裕毅選手の方は、ブレーキトラブルだった?
本橋CE:はい。こちらもレコノサンスの途中からブレーキのフィーリングがおかしいということになって、グリッド上で確認したのですが、異常が目視できない。ペダルのタッチが柔らかいような感じで、その状態でレースを続けるのは危険だろうということで、スタートせずということになりました。こちらはシステム上というより、単純にブレーキ周りだと考えています。ハードウェアのどこかだろうと。
──レースを1周も走れずという結果に終わってしまいましたが、それまで2日間の走りをどう見ていますか。
本橋CE:シーズン後半になって、セッションごとに着実にラップタイムを上げていくことを心がけている。それは今回もできていたと思います。スプリント予選フォーマットで、実質的にフリー走行は60分1回だけでしたが、しっかり対応していました。チーム側もいろいろな状況を見据えて、準備を重ねていましたしね。予選でもペースが上がっていただけに、トラックリミット違反でタイム抹消されたのは残念でした。Q2に進めていたはずだし、そうしたら確実にもっと順位を上げていたはずです。それだけの伸び代は感じられました。
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