相手のよさを消して、自分たちの特長を出した富山第一

2018年1月3日(水)6時30分 サッカーキング

富山第一が終了間際の得点で東福岡に勝利 [写真]=兼子愼一郎

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取材・文=川原宏樹(提供:ストライカーデラックス編集部)

 富山第一の大塚一朗監督は対戦相手の研究に余念がなかった。富山第一は「5−3−2」の布陣がベースだが、この試合では「(CB滝本敦生を)ちょっと前に出して中盤のダイヤのアンカーにしました」(大塚監督)と、滝本を中盤の底に配置し、「4−4−2」にした。これにより、両サイドのカバーリングがスムーズになるとともに、相手のシャドーストライカーをうまく消すこともできるようになった。結果、東福岡持ち前のサイド攻撃を完封してみせた。

 このシステム変更は富山第一にもう一つの効果をもたらした。大竹将吾と坪井清志郎の180センチ越え2トップに加え、187センチの滝本も前線での競り合いに加わり空中戦で優位に立った。それでも東福岡の阿部海大に跳ね返されることがあったが、ボール奪取に優れた前田拓哉と滝本がセカンドボールを拾い、前半はほぼ東福岡陣内でゲームが展開された。

 後半になっても同様の展開が続いたが、富山第一の疲労蓄積と相手の選手交代によって劣勢に立たされることもあった。しかし、どちらもゴールは遠くともにPK方式を覚悟した後半のアディショナルタイムに、富山第一の得意のプレーが飛び出す。右CKからニアサイドで大竹が頭で合わせて、ゴールニア上へボールを突き刺して先制点を挙げた。狙っていた形を終了間際にようやく作ることができた。

「(4−4−2のシステムは)変えられなかったですね。システムをいつも通りの5−3−2に戻して、ちょっと引き込んで守備を重視しようと思ったのですが、やられそうな気がして、勇気がなくて変えられませんでした」と大塚監督が試合後に振り返ったように、東福岡対策は攻守両面において見事なまでに成果を発揮した。

 次戦の前橋育英戦では、どのような戦術を見せてくれるか楽しみだ。

サッカーキング

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