第101回全国高校サッカー選手権大会、準決勝見どころ

2023年1月5日(木)18時0分 FOOTBALL TRIBE

東山高校 GK佐藤瑞起 写真:Getty Images

2022年12月28日に開幕した第101回全国高校サッカー選手権大会。各都道府県代表48校(東京都は2校)がトーナメントで競う中、ベスト4が出揃った。高校サッカーの頂点を決める熱き戦いも決勝戦を含め残り3試合となっている。


1月7日に国立競技場で開催される準決勝は、神村学園高校(鹿児島)VS岡山学芸館高校(岡山)、東山高校(京都)VS大津高校(熊本)。果たして、ファイナリストになる2校はどこになるのか。ここでは選手権ベスト4に残った各校の、これまでの戦いぶりと準決勝の見どころをみていく。







神村学園高校(鹿児島)vs岡山学芸館高校(岡山)


大会前、神村学園では、MF大迫塁とFW福田師王に注目が集まった。しかし開幕後は決してこの2人だけのチームではないことを証明している。


神村学園のここまで1番のシーンは、1月4日の準々決勝青森山田(青森)戦であろう。前回大会王者であり4大会連続ファイナリストである青森山田に対して、2-1の逆転勝利をみせた。センターの福田が体を張ってボールを収め、そこから両サイドをワイドに使った攻撃は相手ディフェンスに的を絞らせず。特に左サイドのMF金城蓮央は1年生にして小柄ながらも、青森山田のディフェンスラインを何度も切り裂いた。FW西丸道人も輝きを放った1人。青森山田の選手たちはこの2年生の西丸を最後まで捕まえきることができず。独特なステップから素晴らしい同点ゴールを生んだ。


対するは、初のベスト4進出を果たした岡山学芸館。準々決勝で佐野日大(栃木)の壁を壊したのは彼らの美しいサッカーであった。また「美しく勝つ」をチームスローガンとして掲げていた国学院久我山(東京)をも2回戦で撃破している。


岡山学芸館の「美しさ」を証明するかのような準々決勝。特に3点目のシーンでは、FW山田蒼がセンターでボールを確実に収め、FW今井拓人へ落とす。この時の今井のポジショニングが大変よく、自分でシュートも狙え、左サイドを駆け上がってきたMF木下瑠己へパスも可能なアングル(体の向き)を取っていた。そのため佐野日大ディフェンス陣も今井へ寄せることができず、中途半端なポジショニングとなり、木下へのパスは対応することができなかった。誰でも点を取ることができるのが、岡山学芸館の強さの秘訣であろう。


そんな神村学園と岡山学芸館の準決勝。どちらも攻撃が魅力のチームなだけに落ち着いた試合展開にはならず、打ち合いになることが予想される。打ち合いを制するのはどちらになるか。


東山高校 DF新谷陸斗 写真:Getty Images

東山高校(京都)vs大津高校(熊本)


ピッチ上で誰よりも大きく見えたのが、東山のGK佐藤瑞起である。準々決勝の日体大柏(千葉)戦で、何度も雄叫びをあげた佐藤は、前半にあった2回の決定機とPKストップ。身長176センチと決してサイズが大きい方ではないが、柔軟な体と瞬発力を活かしたセービングが彼を大きく見せた。


東山の今大会におけるここまでの失点数は1。GK佐藤とDF新谷陸斗を中心とした守備陣が攻撃を支える。そんな2人は、中学時代同じセレッソ大阪ジュニアユースに所属。共に歩んできた6年間の集大成として、守備でチームを支えていく。


対するは、FW小林俊瑛とFW山下基成の強力なトップが構える大津。攻撃に注目がいくが、今大会の失点は東山と同様わずか1。攻撃を支える守備陣も魅力的であり、その中心はGK西星哉だ。初戦の浜松開誠館(静岡)戦では、PKを2本ストップ。準々決勝ではインターハイ王者である前橋育英(群馬)のPKを1本ストップ。間違いなくチーム躍進の立役者である。


そんな大津のGK西には偉大な先輩が1学年上にいた。前回大会ナンバーワンGKとの呼び声が高かった佐藤瑠星(現筑波大学)である。佐藤は前回大会で活躍し、高校選抜、U19日本代表へとステップアップをしている。共にトレーニングを積んだ先輩の背中を追いかけ、西もU17日本代表に選出されるなど間違いなくステップアップ。残るは、先輩越えとなる「選手権優勝」だ。


東山と大津の準決勝。両校ともに守備に定評があり、なかでもGKに注目が集まる。タイプの違う両校のGK2人がどのようなプレーをみせるかに注目していきたい。

FOOTBALL TRIBE

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