第101回高校サッカー選手権決勝、岡山学芸館VS東山、見どころ

2023年1月8日(日)13時0分 FOOTBALL TRIBE

今井拓人(左)松橋啓太(右)写真:Getty Images

2022年12月28日に開幕した第101回全国高校サッカー選手権大会。各都道府県代表48校(東京都は2校)がトーナメントで競い、ついにファイナリスト2校が出揃った。全3883校の頂点を決める熱き戦いも決勝戦の残り1試合となる。


1月9日に国立競技場で行われる決勝戦は、岡山学芸館高校(岡山)VS東山高校(京都)となった。両チームのこれまでの戦いぶりと決勝戦の見どころをみていく。




岡山学芸館高校 FW今井拓人 写真:Getty Images

強く美しい攻撃:岡山学芸館高校(岡山)


岡山学芸館が初のベスト8進出から決勝進出までを果たした。1月2日の3回戦で国学院久我山(東京)を0-0(PK5-3)で撃破し初のベスト8進出。続く準々決勝(4日)で佐野日大(栃木)を4-0で破り勢いのままベスト4進出。優勝候補であった神村学園(鹿児島)との準決勝(7日)は壮絶なシーソーゲームを繰り広げ、3-3でPK戦の末に4-1で勝利。優勝まで残り1つとなった。


準決勝の神村学園戦は予想通りの打ち合いに。FW福田師王、MF大迫塁、MF名和田我空など代表級選手がいる神村学園の攻撃陣に対し、制した岡山学芸館の攻撃力には脱帽である。また、3失点はしたものの良い守備を随所で見せた。特に神村学園のFW福田にボールが入ると前を向かせないディフェンスと、MF大迫がボールを持った際に2人がかりで止めに行くディフェンスは、チームとして徹底されていた。守備でのハードワークができることを物語り、GK平塚仁も2年生ながら堂々たるプレーを見せる。福田のPKをストップするなど実力は間違いない。


岡山学芸館の攻撃陣は誰でも点を取ることができるのが強み。そのなかでも、2点目を演じたFW今井拓人は体の強さとポジショニングの良さを発揮した。同得点シーンでは、ニアに入ると見せかけてマイナス方向へステップバック、その動きに合わせたパスも見事であった。3点目を演じたMF岡本温叶は、166センチと小柄ながらパンチ力のある左足を披露。実況も「スーパー」を叫んだように、あのゴールを高校生が決めるとは、見ている誰もが度肝を抜かれたはずだ。


注目選手は上述のGK平塚、MF岡本、FW今井の3名。強く美しいサッカーを演じるブルー色の彼らに栄冠は相応しいか。


東山高校 MF松橋啓太 写真:Getty Images

王者の守備:東山高校(京都)


東山もまた、過去最高成績のベスト8を越え、初のベスト4進出から決勝進出までを果たし優勝まで残り1つとした。戦前の予想通り、1点を争うゲームとなった7日準決勝の大津(熊本)戦は1-1(PK4-2)で勝利。東山は、この準決勝まで4試合での失点数はわずか1と守備の強さこそ魅力である。そしてもちろんその守備があるからこそ、MF阪田澪哉率いる攻撃陣が本領を発揮することができる。


準決勝では、そんな東山が先制を許す。大津のお手本のようなサイド攻撃であった。MF香山太良が運び、FW小林俊瑛とのワンツーで抜け出す。スピードを緩めず、MF井伊虎太郎がゴール前へスプリント。東山のDF志津正剛は背後を取られノーチャンスだった。


しかし、ここで終わらない東山。同点は後半17分。MF松橋啓太のゴールは間違いなく芸術であった。誰もがシュート打つと思ったその時、彼には違う景色が見えていた。完璧なボールコントロールで、目の前の大津ディフェンス陣4人を無力化するゴール。その後は大津ペースでゲームが進むも、東山の守備陣が力を発揮し失点を許さない。勝負の行方はPK戦に委ねられた。


この男が叫ぶとき、東山に勝利が訪れる。GK佐藤瑞起。4日準々決勝の日体大柏(千葉)戦に続き、この男がまた吠えた。大津のGKは、間違いなくU18世代トップクラスでありU17日本代表のGK西星哉である。その西と繰り広げたPK戦。大津のPKを2本目と4本目でストップした佐藤に軍配が上がった。


再び国立競技場でGK佐藤の雄叫びが響くときには、東山に優勝が訪れるはずである。




決勝は、攻撃と守備のぶつかり合い


岡山学芸館の攻撃と、東山の守備の対決が鍵となりそうな決勝戦。どちらが優勝しても初優勝となる。最後に笑うのはどちらか。第101回全国高校サッカー選手権大会決勝戦は、1月9日14時5分キックオフ。

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