ダカールラリー:ハイラックス駆る“砂漠の王”が反撃開始。今大会5度目のステージウイン
2021年1月12日(火)12時45分 AUTOSPORT web

1月11日、ダカールラリーは競技8日目の“ステージ8”が行われ、総合2番手につけているTOYOTA GAZOO Racingのナッサー・アル-アティヤ(トヨタ・ハイラックス)がベストタイムをマーク。通算40回目のステージウインを飾った。
ラリー後半戦の山場“マラソンステージ”に組み込まれているステージ8は、北部のサカカから紅海に面する西部の町ネオムに至る総走行距離709kmのコースだ。SS(競技区間)の全長は375km、選手たちは前日のステージ7終了後に自らマシンを整備し、このステージに臨んでいった。
ステージ8でプロローグを含む今大会5度目のSS優勝を飾ったアル-アティヤは序盤からリードを築き、161km地点でXレイド・ミニ・JCWチームのステファン・ペテランセル(ジョン・クーパー・ワークス・バギー)に逆転を許したものの、続く225km地点で最大のライバルを再逆転。そのままリードを譲ることなくフィニッシュ地点に到達し、自身40回目のステージ優勝を果たした。
「マラソンステージは簡単ではなかったが、そのなかで僕たちは昨日から今日までベストを尽くした。本当に本当にハッピーだ!」と喜びを表現したアル-アティヤ。
「バギーに追いつくためにプッシュを続けた。簡単なことではないが、マラソンステージを無事に終えることができてうれしいよ。ステージ8は僕たちにとって素晴らしいステージだった」
そのアル-アティヤから遅れること38秒、ステージ2番手にはXレイド・ミニ・JCWチームのカルロス・サインツ(ジョン・クーパー・ワークス・バギー)が入り、チームメイトで総合首位に立っているペテランセルがトップと3分03秒差のSS3番手となった。ステージ4、5番手にはハリド・アル-カシミ(プジョー3008 DKR)、シリル・デスプレ(プジョー3008 DKR)のアブダブ・レーシング勢が続いている。
総合トップ3に順位変動はなく、首位ペテランセルと2番手のアル-アティヤとの差は4分50秒に縮まった。3番手のサインツはトップと39分55秒の開きがある。総
合4番手はオーレンチーム/オーバードライブのヤクブ・プツィゴンスキー(ハイラックス・オーバードライブ)、同5番手はバーレーン・レイド・エクストリームのホアン-ナニ・ロマ(BRXハンター)だ。もう一台のBRXハンターを駆るセバスチャン・ローブはメカニカルトラブルによって今ステージでリタイアを喫している。
■ホンダのコルネホが二輪部門首位をキープ
四輪市販車クラスを戦うチームランドクルーザー・トヨタオートボデーの三浦昂(TLC VDJ200)はステージ8を44番手で走破し総合41番手(クラス首位)に。チームメイトのロナルド・バソ(TLC VDJ200)はSS47番手/総合45番手(クラス2番手)につける。
トラック部門にエントリーしている日野チームスガワラの菅原照仁(日野レンジャー)はSS13番手でフィニッシュ。部門総合でも13番手、排気量10L未満クラス首位をキープした。
二輪部門では、前日に総合首位に立ったモンスターエナジー・ホンダチームのホセ・イグナシオ・コルネホ(ホンダCRF450ラリー)がステージ優勝を飾り、総合2番手でSS2番手につけたレッドブル・KTM・ファクトリーチームのトビー・プライス(KTM 450ファクトリー)とのギャップを1秒から1分06秒に広げた。
総合3番手につけるのはレッドブル・KTM・ファクトリーチームのサム・サンダーランド(KTM 450ファクトリー)でトップとの差は5分57秒だ。
ダカールラリーは12日、競技9日目の“ステージ9”が行われる。ネオムをスタート/フィニッシュ地点とするループステージの総走行距離は571km。内465kmのSSは紅海の海岸からスタートし、標高1200メートルを超える高地へ至る難関コースだ。