氷都・釧路3校連合チームで全国へ挑む、結成1年「まずは1勝」…インターハイ・アイスホッケー

2025年1月20日(月)10時38分 読売新聞

 21日から北海道苫小牧市で始まる冬季全国高校総体(インターハイ)のアイスホッケー選手権大会には、釧路市内の3校で結成した「釧路連合」が道勢初の合同チームとして出場する。アイスホッケーの盛んな同市も少子化などで競技人口が減っており、単独出場が難しい学校同士がスクラムを組んだ格好だ。選手たちはプレーできる喜びをかみしめながら、全国の舞台に挑む。(鍜冶明日翔)

 釧路市は苫小牧市や青森県八戸市とともに「氷都」と呼ばれ、地元の子供たちは小学生の頃からスケートに親しんで育つ。アイスホッケーができる市所有のリンクが3か所あり、練習環境も整っている。

 だが、そんな氷都であっても、少子化とスポーツの多様化による競技人口の減少にはあらがえないでいる。釧路・根室地域を地盤とする釧路アイスホッケー連盟によると、高校生の登録チームと選手数は2003年に9チーム・160人だったが、24年には5チーム・54人にまで落ち込んでしまった。

 24年1月に結成された「釧路連合」は、釧路江南と釧路湖陵、釧路北陽の選手計12人で構成されている。各校とも3年生の引退などで単独出場が困難になっていたが、総体では23年度にアイスホッケーを含む一部競技で合同チームでの出場が解禁されたため、3校の選手にも「一つのチームとして戦う」という選択肢が生まれた。

 釧路連合の選手たちは、かつて日本代表でもプレーした江南の菊池嘉之監督(53)の指導の下で着実に成長した。24年12月の予選では、自分たちより人数の多い苫小牧東を3—2で下して全国大会の出場切符を獲得。「道勢として初めて合同チームが総体に出場する」という快挙も成し遂げ、苫小牧東戦で得点を決めた江南・是枝蔵乃輔選手(2年)は「良い経験にしたい」と意気込む。

 選手たちは15日夜、釧路市の春採はるとりアイスアリーナで連係プレーの確認などに汗を流した。21日の1回戦の相手は岩手(岩手県)。唯一の3年生で主将を務める湖陵の隈元奏多選手は「まずは1勝という目標を全員で共有し、精いっぱい戦う」と話していた。

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