「2ケタ勝ったら背番号変えてあげる」巨人・阿部監督が井上温大にゲキ「21」熱望の左腕は「期待に応えたい」
2025年1月26日(日)5時0分 スポーツ報知
ジャイアンツ球場を訪れた阿部監督
巨人の阿部慎之助監督(45)が25日、井上温大投手(23)に直接エールを送った。キャンプに向けた準備のためジャイアンツ球場を訪れ、選手の自主トレを視察した際に今年初対面。「2ケタ勝ったら背番号変えてあげる」と期待を込めた10勝指令を出した。昨年8勝してオフに「97」からの昇格案もあったが、「認めていない」と却下。左のエース番号「21」を熱望する左腕の心を刺激した。
貪欲な左腕のハートに火をつけた。ジャージー姿でG球場を訪れた阿部監督は室内練習場で井上と今年初対面。「2ケタ勝ったら背番号変えてあげるよ」とハッパをかけた。「97」からの昇格へ具体的な条件を示したのは初めて。期待を込めて発奮材料を与えた。
昨年の井上は途中から先発ローテに定着して8勝。前年までプロ4年間で通算1勝だったが飛躍した。特に後半戦は5勝1敗、防御率1・94。DeNAとのCS最終S第4戦(東京D)では負けたら終わりの崖っ縁で5回までパーフェクトに抑え、6回1失点で勝利に貢献した。11月には侍ジャパンに選ばれ、プレミア12で3勝。それでも阿部監督は「認めていない」とあえて厳しく接してきた。
2軍監督時代から井上を指導し、負けん気の強さを知っている。だからこそ好投してもベースカバー忘れを指摘するなど、手放しで褒めることはなかった。「2、3年やってから認めてあげればいいかな」と求めるのは常に上を目指す意識。背番号「97」から昇格案があったが、引き締める意味を込めて見送った。
その思いは確かに届いている。井上は今オフ、慢心せず自覚たっぷりに自主トレ。宮本和知、高橋尚成らがつけた巨人の左のエース番号「21」を「つけたい」とはっきり口にすると、自身初の開幕投手にも意欲を見せるなど、飽くなき向上心を力に変えている。
巳(み)年生まれの年男。2ケタ指令を受け「監督に会うと身が引き締まる感じはあります。期待に応えたい」と決意を新たにした。他球団のマークが厳しくなりそうだが「相手が研究してきても自分を変える必要ないのかなと。こっちが変に変えても自分が崩れるだけなので」と自身のレベルアップに集中し、背番号「21」をつかみにいく覚悟だ。
阿部監督が「将来できるだろうと思っていたけど、こんなに早くできるとは思っていなかった」と想像を超える成長スピードで台頭した井上。菅野のオリオールズ移籍で戸郷、山崎、グリフィンとともに先発の一角として期待される。「2ケタ勝利で背番号昇格」の直接エールには、さらなる飛躍を願う熱い思いが詰まっている。(片岡 優帆)