「すごい収穫だった」巨人・田中将大が今キャンプ初ブルペンで見せた4つの“進化” 「めちゃくちゃいい」自画自賛

2025年2月4日(火)5時15分 スポーツ報知

久保コーチと練習に励む田中将(左、カメラ・小林 泰斗)

 巨人・田中将大投手(36)が3日、今キャンプで初めてブルペン入りし、3日目にして早くも「魔改造」の効果を発揮した。二人三脚でフォーム改良に取り組む久保康生巡回投手コーチ(66)を驚かせる吸収力を見せて捕手相手に計36球。「全部が違う。めちゃくちゃいい」と自画自賛するほどの変身ぶりで、昨季未勝利からの復活に向け、力強くスタートを切った。

 よどみなく体が連動した。上からたたくように右腕を振り抜くと、田中将の直球に強烈な縦スピンが利いた。巨人のユニホームを着ての初ブルペン。19年目のベテランは“進化”を実感した。

 「もう全然、投げている感覚が違う。全部が違う。めちゃくちゃいいです」

 早くも「魔改造」の効果が表れた。今キャンプは初日から、的確な指導に定評のある久保巡回投手コーチとフォーム改造に着手。当初は3日目もフォーム固めでネットスローをする予定だったが、キャッチボールから動きが抜群だったことで、背中を押されて急きょブルペン入り。中腰の捕手への計36球は「(それまでの)練習と同じ感じで投げられたので、すごい収穫だった」と手応えにあふれた。

 1日に「見た目も変わる」と予告していたとおり、目に見える部分だけで多くの変化があった。

《1》菅野流の始動 ノーワインドアップの始動で、プレート後方に左足を引いていた動きを変更。菅野のように目線を変えず、その場で体だけを三塁方向に向けることで、打者に「近さ」と角度を感じさせる。

《2》軸足の動き 出力が出ない原因になっていた軸足の右足が沈み込むクセを改善。軸足が立つことで重心の位置がアップ。

《3》リリースポイント 重心が落ち、腕の位置が下がることで横ぶりとなっていた体の回転を「縦回転」に。重心と連動して球離れの位置が高くなり、球に角度と威力がつく。

《4》重心移動 上体の力みをそぐことで、懸念点だった「テイクバックのギクシャク感」などが消える。全身が連動し、スムーズにロスなく力が伝わる。

 見違えるような球の力強さに、昨季菅野をよみがえらせた名伯楽も「五、六分の力感でも球が速い、強い、制球がズレない」と絶賛。わずか3日での大変身に「早すぎるなぁ。(自分の)仕事がなくなるわ」と苦笑いですごみを証言した。

 日米197勝右腕の劇的変化。その裏には驚異の集中力があった。「そばで見て思うのは集中力のすごさ。練習ですら『今スイッチが入ったな』と目の色が変わる瞬間が分かる」。そう明かすのは連日キャッチボール相手を務める用松ブルペン捕手。24年は屈辱の0勝。“センス”だけで片付けてはいけない努力量が、吸収の速度ににじみ出ている。

 今月下旬の実戦デビューを「理想」と掲げる背番号11。久保コーチも「今日の感じなら十分ゴーサインが出せそう」。苦しんできた男にようやく光が差し込んだ。(堀内 啓太)

◆松坂氏から激励

 〇…巨人・田中将がサンマリンで松坂大輔氏(44)に激励されたことを明かした。西武、Rソックスなどで活躍した平成の怪物が取材のため球場へ。世界一に輝いた09年WBCでは共闘し「会話も、はい。(『頑張って』など)インタビューの中で」とうれしそうに笑った。日米通算170勝、中日時代の18年に6勝を挙げて「カムバック賞」も受賞した先輩右腕からパワーをもらった。

スポーツ報知

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